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異界と日本人 角川ソフィア文庫

小松和彦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784044083373
ISBN 10 : 4044083371
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2015
Japan

Content Description

古来、私たちは未知のものへの恐れを、物語に託し、語り伝えてきた。日常の向こう側に広がる「異界」では、陰陽師・安倍晴明が悪霊たちと戦い、狐は美女に姿を変え、時期の流れさえ歪む。源義経の「虎の巻」、大江山の鬼退治伝説、浦嶋太郎の龍宮伝説、俵藤太伝説、七夕伝説…。いまも語り継がれる絵巻に描かれた異界物語を読み解きながら、日本人の隠された精神性に迫る。妖怪研究の第一人者による「異界論」の決定版。

目次 : 異界をめぐる想像力/ 反魂の秘術―『長谷雄草紙絵巻』/ 源頼光と酒呑童子―『大江山絵詞』/ 妖狐の陰謀―『玉藻前草紙絵巻』/ 龍宮からの贈り物―『俵藤太絵巻』/ 龍宮の逆説―『浦嶋明神縁起絵巻』/ 天界への通路―『天稚彦草子絵巻』/ 義経の「虎の巻」―『御曹子島渡』/ 天狗と護法童子―『是害房絵詞』/ 狐の「浄土」と異類婚姻―『狐草紙絵巻』/ 百鬼夜行のパレード―『付喪神絵巻』/ 幽霊の近世―『死霊解説物語聞書』/ 異界観の変容と妖怪文化の娯楽化

【著者紹介】
小松和彦 : 1947年、東京都生まれ。国際日本文化研究センター所長。埼玉大学教養学部教養学科卒業、東京都立大学大学院社会科学研究科(社会人類学)博士課程修了。専攻は文化人類学・民俗学。2013年、紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HANA

    絵巻物の分析から異界と日本人の関係を追った一冊。鬼、狐、天狗、かつては我々のすぐ隣にいたのに今ではどこかへ行ってしまったものが懐かしく思い出される。ここで紹介されている絵巻物は『御曹司島渡』『天稚彦草紙絵巻』以外内容だけは知っていたので、分析した部分は興味深く読めた。一番面白く感じたのはあちらとこちらでの時間の変化の部分。浦島は当然だけど、狐の世界でも時間の流れは違っているんだなあ。最後の物語の復権的な部分も、失ってしまった現代人としては素直に頷ける。かつてあった豊饒な世界を思い出させてくれる本でした。

  • レアル

    NHKのテレビ番組のためのものらしく、広く浅くといった感じの妖怪もの。著者の他作品でじっくり「妖怪講義」を読んでいるし、妖怪そのものよりも絵巻物の解説を読みたく手に取ったのでその絵巻物の解説に大満足。じっくり濃密な妖怪講義的なモノも良いけど、こういったサクッとしたものも気構えずに読めて楽しい。

  • 井月 奎(いづき けい)

    異界とは何か、異界の意味は何か、人の存在とは何かを考えるきっかけをくれる本です。 異界とはいろいろなところに存在します。山の向こうに、海の底に、人の心に。 異界、黄泉は命のもと、心のかけら、光の粒、闇の断片がいるところです。垣間見ることはあっても定住してはいけないのです。それでもお互いは関係しあっていて、時間とともに様相は変化していきます。 あちらをどう見るかによって生き方や考え方も変わるでしょう。あちらもこちらを見ています。 異界と日本人は背中合わせでいるのです。

  • イトノコ

    キンドル合冊版。日本人と異界との関わりを、年代順に絵巻物の記録から解説。中世までは異界の住人は龍神や鬼、天狗、怨霊などパワーのある妖怪で、住処も天竺や中国から連想される絢爛豪華なものであったよう。そして人間は退治や契約により冨貴や超常的な力を得ることができていた。しかし時代が下り近世になると(本書によると神仏の影響力低下にともない対抗勢力としての)妖怪もスケールダウンし、つくも神や狐、個人的な恨みレベルの幽霊など、娯楽としての妖怪になったと。

  • テツ

    ほんの少し前までこの国では人間が生きることが許された空間と常世との境界はとても曖昧だった。神も鬼も妖怪も足音を響かせて闊歩していた。こちらから異界へ。異界からこちらへ。そうして境界を踏み越えてしまうお話も(大抵ただでは済まないけれど)身近な戒めとして伝わっていた。そんな今はもうリアリティをもって考えることのできない日本人的な「近い異界」について、その誕生と今に至る変質について楽しく学びながら読めました。

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