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興亡の世界史イスラーム帝国のジハード 講談社学術文庫

小杉泰

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062923880
ISBN 10 : 4062923882
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
小杉泰 ,  

Content Description

七世紀、アッラーの啓示で人間の平等と弱者救済を説いたムハンマド。迫害の中で創られたイスラーム共同体は後継者たちの大征服でアラビア半島の外に拡大。わずか一世紀でイベリア半島から中央アジアまで広大な帝国を築き、一〇世紀にはアッバース朝の黄金期へ。多民族、多人種、多文化の人々を包摂、多宗教も融和する知恵が歴史の奇跡を実現した。

目次 : はじめに―「夜陰の旅立ち」から/ 帝国の空白地帯/ 信徒の共同体/ ジハード元年/ 社会原理としてのウンマ/ 帝都ダマスカスへ/ イスラーム帝国の確立/ ジハードと融和の帝国/ 帝国の終焉とパクス・イスラミカ/ 帝国なきあとのジハード/ イスラーム復興と現代

【著者紹介】
小杉泰 : 1953年、北海道生まれ。エジプト国立アズハル大学イスラーム学部卒業。法学博士。京都大学大学院教授。専門はイスラーム学、中東地域研究。2012年に紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 榊原 香織

    マホメットから現代まで一気に。一神教は中東の砂漠の限られた地域から発生 メモ;ファーストネームで分かる宗教 ムハンマド(イスラム)、ウマル(スンナ)、アブドゥルフサイン(シーア)、フリトルス(キリスト)

  • 優希

    イスラーム帝国の多民族・多人種・多文化・多宗教ならではの歴史が語られていきます。7世紀、アッラーの啓示により平等と救済精神をムハンマドが説く中で建国されたイスラーム。後継者たちの勢力拡大により、広大な帝国を造り上げ、黄金期を築いた歴史はまさに大制服ならではの結果だと思います。わずかな間に勢力を持っていく危険性が恐ろしい国家であり、今のイスラームの思想へと結びつく基礎がここで出来ていたらと考えると、鳥肌が立ちます。様々な要素を融和し、包括した流れに、現代のイスラームの片鱗を見たようでした。

  • 南北

    アラビア半島という政治的な「空白地帯」に発生したイスラーム教がやがて広大な帝国を築き、やがて帝国が滅亡するまでの歴史を描いた本です。オスマン帝国やモンゴル帝国については同じ「興亡の世界史」シリーズにあるので、そちらで補完できると思います。単に過去の歴史だけではなく、アル=カーイダや「イスラーム国」にも言及しているので、現代を理解する上でも参考になります。ジハードをテロと直結させて考えるのは誤りだということがよくわかります。

  • ああああ

    「ジハード」とは信仰するための「努力」のことなのか。なるほど、本書の題材は剣によるジハード、つまり戦争そのものではない。ムハンマドの時代から、ウマイヤ朝、アッバース朝をへて多極化していくムスリム達の物語として、とても面白く読めた。国や政権の枠組みを超えて社会を支えているのが共同体であるウンマ。ウンマと言われてもピンとこないけど、神社の境内で餅つきやお祭りをする地域社会のようなイメージが近いのかもな〜。

  • みのくま

    この世界に巣食う不平等や不公平、差別にジハードを起こした偉人こそムハンマドに他ならない。イスラームとは唯一神アッラーの加護の下、全人類に平等と公平、そして自由を謳う思想だ。しかしこのような理想は、アラビア的土着性や外敵など多くの困難に見舞われる。特に西洋列強による植民地化以降、イスラームは帝国が崩壊し、「野蛮」というレッテルを貼られ、民族主義(=部族・血縁主義)も高まってしまった。そしてこのような堕落から防衛するはずのジハードも、指導者(カリフ)を失い単純化されてしまった。イスラームの復興は可能なのか。

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