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ISBN 10 : 4480075763
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福沢の思想は毀誉褒貶にさらされてきた。それは福沢の議論の変化というよりも、福沢をとりまく世論の側の変化によるものといえる。福沢を評価した徳富蘇峰は、晩年には福沢が日本の伝統的な良風美俗を破壊したと罵倒。戦後は丸山眞男から原則ある実学思想家として賞賛されるも、朝鮮蔑視の脱亜論者として批判もされ、他方で一九八〇年代半ば以降は一万円札の肖像となり、文化人の象徴となった。福沢評価の変遷をたどり、その過程を詳細に考察。福沢の実像を浮かび上がらせる。
目次 : 序章 福沢を論じた知識人たち/ 第1章 存命期の論争―学者職分論から修身要領まで/ 第2章 死去―『福沢先生哀悼録』にみる「文明」の先導者/ 第3章 忘却から批判へ―大正期から太平洋戦争まで/ 第4章 華麗なる復活―連合国軍占領と横溢する賛美/ 第5章 「脱亜論」の主唱者として―戦後歴史学からの批判/ 終章 一万円札の肖像へ
【著者紹介】
小川原正道 : 1976年生まれ。慶應義塾大学法学部教授、東京大学大学院法学政治学研究科客員研究員。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。専門は日本政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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