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ケアする惑星

小川公代

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065296820
ISBN 10 : 406529682X
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

他者なるものを慈しむ惑星的な視座。『ケアの倫理とエンパワメント』で注目された英文学者が、ケアをめぐる現代の事象と文学を自在に切り結び語る論考。

目次 : “ケアする人”を擁護する―『アンネの日記』再読/ エゴイズムに抗する―ヴァージニア・ウルフの『波』/ オリンピックと性規範―ウルフの『船出』/ ウルフとフロイトのケア思想1―『ダロウェイ夫人』における喪とメランコリー/ ウルフとフロイトのケア思想2―『存在の瞬間』におけるトラウマ/ ネガティヴ・ケイパビリティ―編み物をするウルフ/ 多孔的な自己―アートと「語りの複数性」/ ダーウィニズムとケア1―『約束のネバーランド』と高瀬隼子作品/ ダーウィニズムとケア2―ウルフの『幕間』/ ピアグループとケア―オスカー・ワイルドの『つまらぬ女』/ カーニヴァル文化とケア―ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』/ 格差社会における「利他」を考える―チャールズ・ディケンズの『ニコラス・ニクルビー』/ 戦争に抗してケアを考える―スコットの『ウェイヴァリー』とドラマ『アウトランダー』/ ケアの倫理とレジスタンス―オースティンの『レイディ・スーザン』と映画『ロスト・ドーター』

【著者紹介】
小川公代 : 1972年和歌山県生まれ。上智大学外国語学部教授。ケンブリッジ大学政治社会学部卒業。グラスゴー大学博士課程修了(Ph.D.)。専門は、ロマン主義文学、および医学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • かさお

    ケアする、それは介護や看護だけでなく、他人の為に心を砕く事と知り、自分も十分当事者だと知る。何故ケアする人が報われない世の中なのか?アンネの日記、ヴァージニアウルフ、鬼滅の刃、約束のネバーランド、おいしいご飯が食べられますように、など文学作品から鑑みて紐解いていて、どれもこれも、そういう解釈が出来るのかと面白く読めた。特に、時代の家父長制度が、オンナコドモという言葉を作りケア労働の価値と賃金を貶めた(ケアは女がする事)過程、とても腑に落ちた。「おいしいごはんが食べられますように」を再読したくなった→

  • ケイトKATE

    本書の冒頭で、『高慢と偏見』に登場するミス・ベネットを擁護している。ミス・ベネットは、娘を良家に嫁がせることしか頭にない俗物であるが、5人の娘を育てた女性であることに私も反省した。ケアする人、ケアされる人、共に生活において障害を抱えている。社会において、いつも注目されるのは、ケアを必要としてない健常者である。しかし、健常者は人生において誰かに支えられているのは事実である。『ケアする惑星』から人間にとって、ケアが必要不可欠なものであることを教えてくれる。私も、支えてくれる人に感謝したいと思う。

  • mikky

    引き続きケアをめぐる論考。前作同様ウルフの作品群は勿論、『アンネの日記』『不思議の国のアリス』といった名著から『約束のネバーランド』『鬼滅の刃』といった近年大きな話題となった漫画、『ロスト・ドーター』のような映画まで広く材を取っています。『ケアの倫理』の観点で作品を読み直す作業は非常に面白く興味深かったです。また、ウルフの三ギニーで語られる『女性としては、全世界が私の祖国なのです』という言葉が、再び戦争の時代となりつつある今胸に強く残りました。ワイルドの『顔のないスフィンクス』も未読なので読んでみたいです

  • amanon

    取り上げられている本に既読のものが多かったと言うことを抜きにしても、非常に興味深く、発見の多い一冊だった。いみじくも、世間がますますきな臭くなり、愛国や防国の名の下に、国民総動員体制へと傾れ込むことが懸念されている昨今。本書が提唱する、ケアの姿勢や精神、グローバリズム的世界観への警戒、マチズモ及びミソジニー的な価値観を見直す姿勢というのは、注目に値する。個人的に驚かされたのは、最終章で取り上げられたオースティンの『レイディ・スーザン』。こんなある意味破天荒な主人公を、オースティンが初期に書いていたとは…

  • やましん

    いつ買ったか、なぜ買ったか思い出せない積読本。バージニアウルフを主として様々な作品を渉猟しながら「ケア」を説いた1冊。他者を思いやり行動するケアが十分浸透しなかったのは家父長的な男性や制度にあることが示唆されるが、生物学的な男とは異なる概念としているのだと信じたい。紙幅の都合もあったのだろうが、男性というタームが性別的なものと人文学的なものと異なる概念として記述されるのは、直観的な理解をする読者にとっては無用の誤解を生むだろうから注意して欲しい。

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