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不揃いの木を組む 文春文庫

小川三夫

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784167801786
ISBN 10 : 4167801787
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2012
Japan

Content Description

「不揃いでなくちゃあかんのや。いいのもいる、悪いのもいるっていうのがいいんだ」。法隆寺最後の宮大工、故西岡常一の内弟子を勤めた後、鵤工舎を設立。多くの後進を育てた宮大工の親方の金言の数々。「他人のことより自分を見つめろ」「言葉でストレートに教えないわけ」。人を育てるとは何か?全ての働き学ぶ人の心に響く言葉。

目次 : 鵤工舎の四つのクラス/ 不揃いの弟子の複式学級/ 棟梁に必要な四つの力/ よけいな知恵を捨てて、まっさらな心に/ 個室、個食がいかん/ 不揃いのものを組み上げる/ 三十歳前にどっぷりと仕事に浸れ/ 大工に適した体をつくる/ 職人にカリキュラムはない/ ゆっくり時間をかけることの弊害〔ほか〕

【著者紹介】
小川三夫 : 1947年、栃木県生まれ。高校のとき修学旅行で法隆寺を見て感激し、宮大工を志す。21歳の時に法隆寺宮大工の西岡常一棟梁に入門。唯一の内弟子となる。法輪寺三重塔、薬師寺西塔、金堂の再建では副棟梁を務める。1977年、独自の従弟制度による寺社建築会社「鵤工舎」を設立。数々の寺社建築の棟梁を務める。2003年「現代の名工」に選出。2007年棟梁の地位を後進に譲る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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『 不揃いの木を組む 』 題名から既に固い...

投稿日:2021/07/15 (木)

『 不揃いの木を組む 』 題名から既に固い意志の貫きを感じる。本の中では、木を拵えて組み上げていく作業を人生と合わせて語っている。職人の方の考え方や思いに触れては、自分の姿勢を見つめ直すのにも役立つような、良い言葉が一冊の中に溢れている。「修業を耐え抜いて、生まれるやさしさ、心のゆとり」「規格化されたものではない、不揃いの木を生かして、千年を越えて塔を支える」「一本一本で支え合う、総持ちで立つ、みんなで持つ」「不揃いこそ、社会のかたちとしては、安定感があるし、強い」長い時間をかけて、経験を積んで、技を身につけて、働き精進して来た方の心がまえや、取り組み方を、知ることの出来る充実の内容。読んでいるうちに、現場を確保しては、環境を維持し続けて来た人から、直接話しを聞いているような感覚を覚えたり、いろいろと学ぶことも出来たりもして、とても心強い一冊です。

seigo-hk さん | 長崎県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Tai

    著者は最後の棟梁と言われた宮大工・西岡常一氏の弟子。 見る目がないとき何を見てもだめ。器用さを避け技をじっくり身につけさせる。日本中の母親の一番よく使う言葉「早くしなさい」大人の頭で子供に言ったらあかん。 草むしりは小屋の後ろの誰も見えない汚いところをやる奴もいる、お天道様は見ている。基準は最低の規則、なのにそれが目標になってしまう。 未来の人のためを思って、こうしてあげる、そんなバカにしたことはするな、「ため」という言葉が一番悪い。 薬師寺の東塔の中に入ったら、不揃いな木ばかり。それでも力強いんだな。

  • booklight

    タイトルが素晴らしい。これだけで教育論、組織論になっている。これだけで励まされる。読むとさらに実践に裏打ちされた言葉が並ぶ。何度も折に触れて思い出したい言葉だ。

  • モーモー

    宮大工で斑鳩公舎を営む小川三夫棟梁の考えかたについて。効率化だけを追求していく資本主義の考え方でなく、不揃いがいい、いいものも悪いものもいる環境が人を育てていくという考え方。 人の育てかたは千差万別だし、難しいなと感じる一冊でした

  • yahiro

    良い内容だった。自らも、自らの弟子も高める為に尽力してきた職人の言葉には深みがある。私自身技術者の卵と呼ばれる身だが、この本を読むとまだまだ経験不足で勉強不足で足りない物ばかりだと実感させられる。考えるより手を動かせ。まさにその通りだ。 図書館でたまたま目について手に取った本だったが、ぜひ手元に置いておきたいので購入しようと思う。 自らを成長させたい時にも、周りを成長させたい時にも為になる一冊。

  • yori

    ★★★★☆ 西岡棟梁と小川棟梁の本をそれぞれ何冊か読んでいると、違いが分かって来て興味深い。最近は器用でスマートな人がもてはやされている気がするが、職人に関しては全くの反対と言える。技術を時間を掛けて体に沁み込ませて行くしかない。その時に頭の良さというのは妨げになる事が多いと。この様な価値観ももっと評価されていいと思う。100年、200年後になるのだろうか、古代建築の大改修が再び行われる時、飛鳥時代の工人と会話の出来る宮大工がきっと居る、という話にジーンと来た。未来の若者が価値を見いだせないと言う事は無い

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