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矛盾と創造 自らの問いを解くための方法論

小坂井敏晶

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784396618063
ISBN 10 : 4396618069
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

考えるヒントを求める人へ。人間と社会を深い洞察で解き明かしてきた著者が、パリ第八大学でフランスの学生に説いてきた知のあり方、方法論。

目次 : 第1章 創造性という偽問題/ 第2章 矛盾を解く型 同一性と変化をめぐって/ 第3章 主体虚構論の舞台裏/ 第4章 モスコヴィッシの贈り物/ 第5章 躊躇と覚醒/ 第6章 社会は制御可能か/ 終章 残された仕事

【著者紹介】
小坂井敏晶 : 1956年愛知県生まれ。アルジェリアでの日仏技術通訳を経て、1981年フランスに移住。早稲田大学中退。1994年パリ社会科学高等研究院修了、リール大学准教授の後、パリ第八大学心理学部准教授。2022年退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    この方の本は、「社会心理学講義」などをはじめとしていくつか読んできています。この本ではご自分がフランスの大学で行った講義を中心としてご自分の経験から感じられたことなどを考えるヒントとして説明されています。私にとっては非常に面白いと感じられるところが多いのですが、このような分野の本に慣れていない人にとってはかなり難しく感じられる気がして読者は限られるのではないかと思いました。私にはとくに6章の「社会は制御可能か」という箇所が非常に印象に残る論点でした。

  • まこみや

    『神の亡霊』での疑問:主体も自由意志も虚構であり、能力も格差も外因により決定されるならば、〈私〉の将来の可能性まで閉ざしてしまうのではないか。小坂井の回答:人間を、近代個人主義が捏造する一人称でもなく、科学の客観的法則による三人称でもなく、場の力学に恒常的に身を曝す開かれた認知システムー二人称の社会・心理現象と捉えることで、他者を自己に重ねる同一化こそが人間の本性であるとする。自己が存在しないから他者のために生きられる。欠如を内在する関係態のおかげで運動や変化が可能となる。答えは科学でなく、文学にあった。

  • hasegawa noboru

    世に氾濫する「規範論」を筆者は採らない。<人間はどう生きているのか、社会はどう機能するのかを記述するだけだ>。<何が問題で、どうすれば解決するか>の「規範論」ではなく「記述論」。社会や人間を問い詰めていく筆者の諸著作の文体は難解だが熱く厳しく激しいものがある。今回その自伝的舞台裏が垣間見えるようでそこに共感納得を覚えた。ルーマニア生まれのユダヤ人指導教授モスコヴィッシから受けた薫陶。アルジェリアでの通訳の仕事の背中を押してくれた小田実の思い出。<ヒトラーやスターリンは当初、国民の多くに支持された>多数派。

  • Hiro

    何とも評しにくい、難しいがとても啓発される良書だ。フランスで長年教鞭をとった社会心理学者、と言っていいのだろうか、の著者が学ぶとはどういうことか、いかにしてそれが真に実践されるかを、自身の著作経験と恩師の教えや思い出を語りながら、極めて本質的に論じている。その文章の徹底して妥協のない論じ方と次々と例示される心理学、哲学、社会学等の様々な、啓蒙的な知見の数々に、私は目も眩む思いで驚いたり納得したりして読み終えた。紹介された著作をこれから地道に読んでいきたいと思う。それにしても自分の偏見と無知に改めて気づく。

  • おやぶたんぐ

    本書において、あるべきものを求める規範論の否定は、多様性の保持、少数派の抑圧されない環境を求めるメタレベルでの規範論すら否定するに至った。対立と矛盾を招く規範を立てなくとも、自らにある矛盾と対峙し、規範を成立させるための虚構を見据えて記述するならば、多様性は維持され、少数派が社会を変えていくというらしい。素直には頷けない。自分が規範で飯を食ってるから、というだけではない。変わっていく社会を成立させ、維持するものは何であるのか。著者の論には大元が抜け落ちているように思われてならない。

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