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トリプル3ヵ国でスパイした男

小倉孝保

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062194846
ISBN 10 : 4062194848
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

すべては祖国を救うために、のはずだった。
レダ・ハセイン、53歳。アルジェリア生まれの三重スパイである。レダの大まかな略歴は以下だが、この男の半生を密着取材、本物のスパイがいかに生まれ、いかに捨てられていったかを記録したノンフィクション。

一九九〇年代、アルジェリア、フランス、英国の諜報機関でスパイとして活動する。
五年間にわたってフィンズベリー・パーク・モスク(北ロンドン中央モスク)でイスラム過激派指導者のアブ・ハムザとアブ・カタダの行動を秘密裏に調査したことである。
それ以前、アルジェで新聞記者をしていた。九二年からのアルジェリア内戦でイスラム武装集団は、政治家とジャーナリストの命を狙ったテロを実行した。ハセインによると、自身も殺害の脅しを受けた。友人のジャーナリストの多くが殺害された。
パリでアルジェリア人向けの週間紙を発行しようと計画していた九三年、アルジェリアの武装イスラム集団(GIA)の支持者に襲撃されて以降、継続してGIAより脅しを受ける。
アルジェリア諜報機関の協力者として九四年にロンドンに渡り、その後、フランス、英国の諜報機関でスパイとして活動した。その間、イスラム過激派の信頼を得るため、イスラム主義を宣伝する新聞を発行した。
二〇〇〇年四月、スパイ活動がばれ、ロンドンのモスクでイスラム過激派に襲われた。その後、過激派から殺害の脅しを受けたが、英国治安機関は十分に保護しなかった。
〇一年にカナダ・テレビ局のインタビューを受けたアブ・ハムザはハセインについて、「イスラム教徒をスパイした人間は誰であろうと、(殺害の)正当な対象になる」と発言した。

おぐら・たかやす 1964年、滋賀県生まれ。関西学院大学社会学部卒業、1988年、毎日新聞入社。福井支局、阪神支局、大阪本社社会部、東京本社外信部、カイロ支局長、ニューヨーク支局長を経て、2010年に外信部副部長。2011年、『柔の恩人―「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界』で、小学館ノンフィクション大賞・ミズノスポーツライター賞を受賞。現在毎日新聞欧州総局長

【著者紹介】
小倉孝保 : 1964年、滋賀県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。1988年、毎日新聞入社。カイロ支局長、ニューヨーク支局長などを経て、2012年からロンドン特派員となり、2014年、英国外国特派員協会賞受賞。2012年、『柔の恩人「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界』で小学館ノンフィクション大賞、2013年、ミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞。現在、毎日新聞欧州総局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • hatman

    面白い。アルジェリア(フランス植民地)人スパイによるイスラム過激派の監視。 イギリスは、戦後の労働力不足を補うため移民を積極的に受け入れ、イギリス人として納税者を育てる融和政策をとり、かつ英語が話せる説法師の過激化を自国の安全を担保に裏工作ですることで イスラム過激派温床となった。 モスクの説法師は、モスク運営組織からのオファーと選考で決まる。 会話能力が上回る方が主導権を握りやすい。 →英語が苦手だと英国諜報機関には使われるだけ。 無知が偏見を生み、陰謀史観につながる。 本当に怖いのは国家権力。

  • 色々甚平

    アルジェリア内戦を過ごした男の軌跡。この人が英雄であったり、素晴らしい人間であるとは思わない。しかし、巨大な力に振り回される姿は指を指して笑えるものではなかった。アルジェリア・フランス・英国でスパイ活動をするが、ジェームズ・ボンドのようでもモサドのようでもなく、地味な監視がメイン。ムスリムとして9・11前のMI5に対して過激派への認識が甘かったことを指摘している。また9・11後の英国でのムスリムやモスクの動きが書かれているのも読みどころ。

  • co1024

    イギリス諜報機関がテロを扇動していた過激なイスラム主義者と実は裏でつながっていたことが明るみになり、当時イギリスでは大きな話題になったことだろう。陰謀論だと片付けられそうなことが実は現実だったのだから。スパイをしていたフセインはイスラム過激派と闘うことによりジハードを遂行さていたと本人は美化するだろうが、筆者が指摘するように、ある種刺激を求めていたところもあり、金もせびるし、諜報機関関係者は相当やりづらかっただろうな。

  • Verte

    表現の自由は侵すことのできない正義の御旗なのか。911以前は過激派イスラム指導者の殺人推奨発言も表現の自由として英国政府から擁護されていた。フランス シャーリーへブド事件後の対応等も含め、表現の自由の呪縛についても考えさせられた。

  • キミ兄

    途中まではうさんくさいスパイもどきの話だったが、いざ911が起きてみると反テロ活動の英雄ではないか。よく消されなかったものだ。英仏諜報当局の緩さも明るみに。☆☆☆。

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