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殉教の日本 近世ヨーロッパにおける宣教のレトリック

小俣ラポー日登美

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784815811198
ISBN 10 : 4815811199
Format
Books
Release Date
March/2023
Japan

Content Description

なぜ“暴虐と聖性の国”となったのか。キリスト教文化にとって日本は殉教の聖地だった。グローバルな宣教のなかで、驚くべきイメージはどのように成立・普及したのか。長崎二十六殉教者の列福やその聖遺物の行方、さらには多様な殉教伝・磔図像・残酷劇などを跡づけ、東西をつなぐ新たな「双方向の歴史」を実践する。

目次 : 序章/ 第1章 複数の位相を持つ「殉教」―概念の歴史化(古代教会における「殉教」概念の発生 殉教思想の日本への流入 ほか)/ 第2章 日本の殉教者の初めての聖性公認―長崎二十六殉教者の列福過程(「聖人」を生む制度―「列聖」と「列福」/ 列福開始以前のフランシスコ会とイエズス会の対立 ほか)/ 第3章 聖遺物―殉教者の旅する聖性(日本で希求された聖遺物/ 信者の命がけの回収と聖遺物の意識的な破壊 ほか)/ 第4章 日本の殉教者のイメージ形成―十字架から炎へ(列福以前の殉教者の図像化―フランシスコ会における磔刑と聖痕/ フランシスコ会のプロセッション ほか)/ 第5章 舞台の上の日本―殉教を見るということ(日本の殉教の演劇化の嚆失/ 托鉢修道会と殉教演劇 ほか)/ 終章

【著者紹介】
小俣ラポー日登美 : 2005年ストラスブール大学歴史学部DEA課程修了。2016年パリ高等研究実習院(宗教学部門)およびフリブール大学文学部歴史学科(近世史部門)にて博士号取得。ハーヴァード大学客員研究員、日本学術振興会特別研究員などを経て、京都大学白眉センター/人文科学研究所白眉特定准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • 夜間飛行

    屍体回収の使節団の話は聞いていたが、それが列福への条件とは知らなかった。民衆は《遺体が腐ってしまったため、頭蓋骨や骨まで盗み、刑具であった十字架の木から、つまようじ状の小さい木片を削り取って守り袋に入れ》ていたという。26人の聖遺物を巡るこうした行動は、ドストエフスキーがありありと描いて見せたゾシマ長老の下りとその衝撃を思い起こさせる。磔刑図はゴルゴタの丘と関連づけられ、特にイエズス会では十字架崇敬と基督への倣いを促すために描かれた。信仰を古代や異境と結びつけることで、その普遍性を証明しようとしたらしい。

  • 夜間飛行

    殉教は信仰の結節点として信者集団を支えてきたという。ところが教皇庁が聖性を認定し、信仰を管理・差別化するようになると、殉教は宗派抗争にも利用されていった。ただし著者は殉教という言葉自体は否定せずに、教会史に囚われることなく各々の歴史的文脈で用いるよう訴える。原爆投下も含めて長崎の殉教イメージに聖性を求めてきた私にとって、二十六聖人を巡る教会の内幕を知り、殉教イメージが作られた過程を知ることは、聖性を考える上で貴重な体験となった。聖なるものが再構築されてきたことを踏まえて、自分なりの対し方を探っていきたい。

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