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車軸 集英社文庫

小佐野彈

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087444575
ISBN 10 : 4087444570
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

地方の裕福な家に生まれながら、その家系を“偽物”と嫌悪する真奈美は、大学三年の夏、友人アイリーンの紹介で、資産家でゲイの潤と新宿歌舞伎町で出会う。
二人に連れられ、初めてホストクラブを訪れた真奈美は、潤ともマクラ(枕営業)するというナンバー2の聖也に興味を持つ。

――じゃあ、潤さんもこのひとと――。(中略)この男なら、あの屋上での体験を、もう一度味わわせてくれるかもしれない。そんな甘美で根拠のない期待が、真奈美の胸の中に満ちてゆく。
「わたし、このひとにします」
――この男が、潤と寝るのだ。想像するだけで、頬が上気してくる。(中略)通うだろうな、と真奈美は思った。そして、聖也の体を知っている潤が、羨ましいと思った。

真奈美と潤は急速に親しくなっていく。二人の間には、一見すると恵まれた境遇への強烈なコンプレックスと、自分は偽物であって決して“本物”の存在にはなりえないという諦念があった。
ある時、潤に誘われてワーグナーのオペラ「タンホイザー」を鑑賞した真奈美は、主人公の騎士タンホイザーを甘美な堕落へと導くヴェーヌスの姿に、血が沸き立つような感動を覚える。

<不可逆的な、本物の堕落へ至ること>

それこそが、自身の求めているものだと確信した真奈美は、潤にその想いを告げた。
秋。真奈美は潤から呼び出され、聖也を交えた3Pを提案される。

「聖也と、あんたとあたしの三人で、やってみない?」
「したい。わたしもしてみたいです」

真奈美は迷いなく答え、やがて三人は特別な夜を迎える。自らを捕らえ続けてきた軛から解放されるために。ふくらみ続ける“本物”への渇愛を断ち切り、自らが“本物”になるために......。暴力的なまでに切ない、ある愛の物語。気鋭の歌人による、才気迸る小説デビュー作誕生!

【著者略歴】
小佐野 彈(おさの・だん)1983年東京都世田谷区生まれ。2007年慶應義塾大学経済学部卒業。大学院進学後に台湾にて起業。台湾台北市在住。2017年「無垢な日本で」で第60回短歌研究新人賞受賞。2018年、第一歌集『メタリック』刊行。2019年第12回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」、第63回現代歌人協会賞受賞。今作が初の小説作品となる。

【著者紹介】
小佐野彈 : 1983年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。大学院進学後に台湾にて起業。2017年「無垢な日本で」で第60回短歌研究新人賞受賞。18年第一歌集『メタリック』刊行。19年同作で第63回現代歌人協会賞、同年第12回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。『車軸』が初の小説作品となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • エビアン子

    ちょっと前にホスト狂いの女の子たちの動画を見ていたので、イメージしやすかった。とはいえ聖夜にゾッコンというわけでもなく、あくまで真奈美と潤を繋ぐ車軸。そのことにお互い分かっているけれど、その先に進めない。人物描写をもう少し踏み込んで欲しかった。

  • カノープス

    初読み作家。天地が逆さまになる快感に陶酔し、堕落する事により再びその快楽を得ようとする真奈美。歪んだ欲望は失禁した過去の体験と絡み迷走する。登場するキャラクターは真奈美の両親を含めなんだか実在感が希薄だ。それぞれに深刻な背景もありそうだが、表層を撫でるだけの描写により小説の熱は伝わらない。真奈美の厄介事に巻き込まれるタクシー運転手がよっぽど存在としてのリアルを感じさせる。ここに罪を犯している人はいない。犯罪小説でもない。なのにつきまとう有罪意識を感じざるを得ない小説である。

  • ドロンジョ935

    なんだか切ない。なにかを介在してしか存在を確定できないのってなんかわからないでもないけど。それが性愛に置き換えられると生々しくもわかりやすくて、さらに切なかった

  • 古山 雅一

    なかなか理解できない感じやったわ。

  • 辻本 敏久

    気持ちよければいいんじゃないの。

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