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ISBN 10 : 4588151185
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“精神の生成”の理路を解明する。ルソーが「一般意志」に基づく人民主権という仕方で社会思想として提示し、カントとフィヒテが「実践理性」や「自我」の原理のもとで哲学的に基礎づけようとした「自律」の概念を、ヘーゲルが「精神」のもとで把握し直そうとしたことの意味と射程を明らかにし、ヘーゲルの「実践哲学」がもつ可能性を、現代の思想状況のなかで問い直す。
目次 : 第1部 『イェーナ体系構想3』における意志論と人倫構想(意志論と衝動の陶冶―フィヒテの衝動論との対決を軸として/ 陶冶論と普遍意志の構成―ルソーの国家論との対決を軸として)/ 第2部 『精神現象学』における精神の生成(カントとフィヒテにおける自我論と共同主観性の問題/ 無限性と欲望―“意識は本質的に自己意識である”というテーゼをめぐって/ 否定性を介した“共同主観性”の生成過程―「自己意識」章の意識経験をめぐって/ 「統覚の統一」から「精神」へ―「理性」章におけるカテゴリーの展開)/ 第3部 『精神現象学』における道徳性とカント批判(幸福の問題―カントの「最高善」との対決を軸として/ 道徳的行為主体における悪とその克服―「良心」論をめぐって)
【著者紹介】
小井沼広嗣 : 1979年東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。法政大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位所得退学。博士(哲学)。現在、法政大学兼任講師、東京工芸大学非常勤講師、学校法人四恩学園勤務。専門は哲学、倫理学。主な論文に「ヘーゲルにおける意志論と衝動の陶冶―フィヒテとの対決を視軸として」(『倫理学年報』第65集、2016年、日本ヘーゲル学会研究奨励賞・論文部門受賞、法政哲学会泰本賞受賞)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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