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夜が暗いとはかぎらない ポプラ文庫

Haruna Terachi

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784591170250
ISBN 10 : 459117025X
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan

Content Description

大阪市近郊にある暁町。閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきんが突然失踪した。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているという。いったい、なぜ―?だが、その思いがけない行動が、いつしか町の人たちを少しずつ変えていく。いま最注目の著者が、さまざまな葛藤を抱えながら今日も頑張る人たちに寄りそう、心にやさしい明かりをともす13の物語。

【著者紹介】
寺地はるな : 1977年、佐賀県生まれ。2014年、『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞し、翌年デビュー。20年、咲くやこの花賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • itica

    寂れつつある「あかつき商店街」の周辺に住む登場人物の誰もが特別な人ってわけじゃない。でもひとくくりに「普通の人」と言うのとも違う。何だかなあ、ため息が出てしまったよ。しこりのようなものを胸に抱えているのは自分だけだと、いつの間にか思い込んでいたのかな。誰だって悩みのひとつやふたつはある。それでも生きている。内面はともかく、他から見たら普通に見えるくらいには、みんな頑張って生きているんだね。私もまだまだ大丈夫。明日も明後日も頑張れる。何気ない言葉が宝石のように輝いていて元気を貰えたよ。

  • mayu

    閉店が決まっている商店街、あかつきマーケット。そこのキャラクターあかつきんと、その周りの人たちを描いた連作短編集。人助けをするあかつきんは、ちょっとした話題になるけど、閉店が覆るわけじゃない。新しい道を踏み出して、希望に満ちているはずの朝だって明るいものとは限らない。何もかもうまくいかないように思えても、夜が暗いだけとは限らない。思い通りにいかないことは多々あるけど、一生懸命に生きる人たち。少しずつでも前へ進もうとする姿に元気をもらった。

  • nyaoko

    ちょっと寂れてきたとある町のあかつきマーケット。そこのマスコットキャラ「あかつきん」が突然いなくなった。あかつきんに関わった人達の日常を描いた連作短編。登場人物が多くてちょっと混乱したけど、あかつき町の住人になって想像しながら読んでみた。誰も悩みや不満なんて1つもないと言う人生はない。折り合いをつけて生きていく、寺地さんはいつもそんな事を読者に教えてくれる気がする。特に自転車のおじいちゃんのお話はとても良かったなぁ。

  • エドワード

    大阪郊外のあかつきマーケット。小さな店舗が並ぶ薄暗い市場。花屋、和菓子屋、パン屋、色々な店の様々な世代の人々の心象風景がつながる様が見事だ。我家の近くにもこんな市場があったが今はスーパーだ。世の中は否応なく変わる。ネット通販、キャッシュレス決済、小さな商店が時代についていくのは本当に大変だと思う。ニュースや広告で「新しく変わります!」と謳うたびにどこもここも閉店していく。お祭りや福引きの風景はもはや稀少だ。不思議なタイトルは「新しいものが味わい深いとは限らない」の暗示だろうか。年男です。今年もよろしく。

  • さぜん

    大阪のある町の商店街あかつきマーケットを舞台に、市井の人々の悲喜こもごもを描く。登場人物の物語が数珠つなぎのように紡がれ、するすると読了。痛い人達がメインだけど、そんな人たちが些細なことで救われ、前を向ける。コミュニティの力って大きい。そして、そんな人達を丁寧に描ける寺地さんはさすが。

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