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共産党の戦後八〇年 「大衆的前衛党」の矛盾を問う

富田武

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784409520956
ISBN 10 : 4409520954
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
富田武 ,  

Content Description

党史はどう書き換えられたのか?

――スターリニズム研究の第一人者が「党史の書き換え」を切り口に戦後共産党の理論と運動の軌跡を辿り、革命観と組織観の変遷を考察する。

本書の構成は『日本共産党の○○年』の情勢、運動、理論の系統だった叙述とは当然にも異なるが、まずは「公式党史はどう書き換えられたか」を検討し、戦後共産党史の問題点を整理することから始めた(第一章)。従来気づかなかった、加除修正された史実もあるが、重要なのは、この党の革命観と組織観の変化を跡付け、綱領論争を見直し、「自主独立」と「民主集中制」の実態を問うたことである。自分の属した『現代の理論』グループについても反省を加えている(第二、三章)。第四章は、新左翼諸派も「反スターリニズム」を掲げながら、革命観と組織観を受け継ぎ、内ゲバと暴力的査問に走ったことに対する考察である。補章は、日本のソ連論とスターリン観を歴史的に(戦前も含めて)再構成し、自分の研究の足跡、本書執筆に至るライト・モチーフを示したものである。(「はじめに」より)

○目次
第一章 公式党史はどう書き換えられたか
第一節 徳田・野坂・袴田らの描き方 
第二節 「自主独立」への長い道 
第三節 宮本・不破「主流派」の思考様式 
第四節 不破による伝統修正と科学的社会主義 
第五節 二○二○年新綱領の教条と新味 
コラム<1> 上田の『戦後革命論争史』 

第二章 一九五〇年分裂と六全協
第一節 戦後民主化と平和革命論
第二節 コミンフォルム批判と党分裂 
第三節 朝鮮戦争と講和・安保条約 
コラム<2> 知られざる労働者党員 

第四節 党分裂下の大衆運動 
第五節 五一年綱領と六全協 
コラム<3> 指導者の呼び名と綽名 

第三章 第七〜八回党大会の綱領論争
第一節 フルシチョフ報告と内外の議論 
第二節 綱領論争と党内グループ 
第三節 「自由論争」から組織的締め付けへ 
コラム<4> 上田・不破の再度の「自己批判」 

第四章 スターリン批判と日本の新旧左翼
第一節 トロツキー史観と溪内史学 
第二節 新左翼運動から無党派の時代へ 
第三節 「新日和見主義」と党内改革派 
コラム<5> 島成郎さんの思い出 

補章 日本のソ連史研究と私
第一節 日本のソ連史研究概観 
第二節 私の研究 
第三節 社会主義について 
第四節 石堂清倫のグラムシ研究/佐藤経明の社会主義経済論 
コラム<6> 「一・九会」のこと 

参考文献 ‥

【著者紹介】
富田武 : 1945年福島県生まれ。東京大学法学部卒業。成蹊大学名誉教授。ロシア・ソ連政治史、日ソ関係史、シベリア抑留(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • みんな本や雑誌が大好き!?

    「戦後八〇年」ですから、コミンテルンのことも多少はでてきますが、「コミンフォルム批判」から始まります。「所感派」「国際派」といった対立なども、これって、何度読んでも?イスラム教徒の「シーア派」と「スンニ派」の対立と同じく、所詮は同じ穴のナントカと……と思いつつも、まぁ、ご当人たちにとっては、生きるか死ぬか、殺すか、殺されるかの次元で大事なことなのでしょう(苦笑?)。 スターリン批判やハンガリー事件やソ連の核実験の評価に関して共産党が右往左往したりする様子もそれなりに分析しています。

  • tkm66

    うわあ・・ちょっと文法的にダメっすわ。【「大衆的前衛党」の矛盾を問う】って・・また帯に騙されました。

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