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なめとこ山の熊

Kenji Miyazawa

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784907689377
ISBN 10 : 4907689373
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2003
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

なめとこ山の熊の胆は、腹の痛いのにも利けば、傷も治ると名高い。熊捕りの名人・淵沢小十郎は…。しみじみと味わい深い宮沢賢治の名作を、小野かおる氏のしっくりした挿絵で贈る。

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 熊打ちの名人小十郎は、生きていくために...

投稿日:2021/04/25 (日)

 熊打ちの名人小十郎は、生きていくために熊を殺し続けている。けれど、熊の毛皮や熊の胆は、安く買い叩かれ、貧しい暮らしを続けていかざるをえない仕組みの中で生きている。   熊と小十郎との間には、生きていくためのぎりぎりの所での命のやり取りが感じられ、命の重さと尊さがひしひしとせまってくる。  氷の玉のような月が空にかかっている下で、熊に殺された小十郎の死骸を囲んで、熊たちが雪にひれ伏したまま、いつまでも動かなかったという最後の場面は、いつまでも心に重く残る。

izkeiske さん | 岡山県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • テツ

    生きるために熊を殺しその身体を糧とする小十郎。彼の生には苦しみしかなく仕方なく熊の生命を奪う瞬間にもやりきれない思いでいっぱいなことは熊たちも知っていた。生きることは苦しみと悲しみに満ちている。他者の生命を奪い生きるのはウンザリだ。「これが死んだしるしだ。死ぬとき見る火だ。熊ども、ゆるせよ」という言葉と共にこの穢土から抜け出せた小十郎の死体はようやく笑顔を浮かべ、彼を理解していた熊たちはそれを囲み小十郎を見送る。死ぬことによってのみ救済と安らぎは訪れる。雪と月明かりに満たされる最後のシーンは悲しく美しい。

  • りらこ

    衝撃を受ける。小十郎、語り、熊。国語の題材で扱われ、抜粋だったので全文を読んだ。生まれて職業も選べぬ時代と、そのなかでなんとか自分の生きる理由をつけて熊と向かい合う。熊はそんな小十郎に尋ねる。熊にも生活があることを語られるところは不思議な思いに駆られる。そして2年後。それから老いていく小十郎と、その死。熊によってもたらされたその死は、小十郎にとっては納得するもの。色々深すぎてわたしには難しく、小学生がどう感じるのか聞いてみなければ。

  • 心結

    熊と意思疏通できたところで結局は。。。【☆☆☆☆☆☆★★★★】

  • こかげ

    なんてやるせない物語なんでしょう。 熊撃ちの小十郎は、熊の気持ちや話していることまでわかるほど熊と情が通いあっているのに、90才の母と9人の子供を養うために、熊を撃たなければならない。そうまでしてとった熊の毛皮は二束三文でしか売れない。 やがてある日の冬、小十郎はクマに襲われ殺されます。熊は「お前を殺す気はなかった」と嘆きます。 小野かおるさんのさり気ないスケッチのような絵が物語をひきたてています。 この本は賢治の一人称で書かれていて、賢治の感情が分かり、とても貴重な本だと思いました。

  • Mihoko

    宮沢賢治 大好きだけどいつも読後に悩む! こんなも書いてたんだ。

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