Books

なぜ私たちは存在するのか ウイルスがつなぐ生物の世界 Php新書

宮沢孝幸

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784569854182
ISBN 10 : 4569854184
Format
Books
Publisher
PHP
Release Date
March/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ウイルス学者は、ウイルスを作り出すことができる。ウイルスのDNAをプラスミドというDNAに入れて、増殖させるのである。あくまで物質であるDNA(デオキシリボ核酸)を、「生命の場」である細胞に入れるとウイルスとなる。まるで生物と物質の境界を行き来するような試みである。さらにウイルスは、ある動物のDNAを別種の動物に運ぶことがある。一方、人間の腸内には約1000種もの細菌が住んでおり、人体のことを「超個体」と呼ぶ人もいる。このような例を考えると、生物は全体で「生命の場」を作り上げ、私たちは関係性の中で生きているといえるのではないか。生物という存在の不思議に迫る意欲作。

目次 : 第1章 ウイルスを作る―ウイルスは物質なのか生物なのか?/ 第2章 病原性ウイルスの研究/ 第3章 ウイルスを排除することはできるか?―天然痘を撲滅できた数多くの幸運/ 第4章 細胞間情報伝達粒子がウイルスになった?―エクソソームがウイルスの起源なのか/ 第5章 レトロウイルスの起源と本来の役割/ 第6章 遺伝子の平行移動(ラテラル・ジーン・トランスファー)/ 第7章 現代のコアラはタイムマシーンか―種の壁を越えていくウイルスの現場/ 第8章 なぜ小さな恐竜も絶滅したのか?/ 第9章 場と生命、そして宇宙

【著者紹介】
宮沢孝幸 : 京都大学医生物学研究所准教授。1964年東京都生まれ。兵庫県西宮市出身。東京大学農学部畜産獣医学科にて獣医師免許を取得。同大学院で動物由来ウイルスを研究。東大初の飛び級で博士号を取得。大阪大学微生物研究所エマージング感染症研究センター助手、帯広畜産大学畜産学部獣医学科助教授などを経て現職。日本獣医学学会賞、ヤンソン賞を受賞。2020年、新型コロナウイルス感染症の蔓延に対し、「100分の1作戦」を提唱して注目を浴びる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 速読おやじ

    超文系人間には難解で、飛ばし読みをしたのだが、なるほどと思った説は、「ウイルスは遺伝子を運ぶ」という考え方。天然痘の撲滅には条件が揃っていたーヒトだけに感染、持続感染が起きない、変異が起きにくいDNAウイルス(コロナやインフルはRNAウイルス)、一回のワクチン接種で有効、熱に弱い、感染すると必ず発症する、というもの。ということは殆どのウイルスは人類と共存する。8章の恐竜はゲノム改編に失敗して絶滅したという仮説も面白い。哺乳類は成功したと。ゲノム改編にはウイルスが遺伝子を運んでいたのだという。興味深い。

  • くものすけ

    単細胞生物から進化して哺乳類、人類に至るまでその細胞レベルではウィルスの働きが必須だと解説して頂いた(生命の摩訶不思議な世界)興味はとても湧いたが、いかんせんかなり高度な専門分野の蘊蓄も多い為、2、3回再読は必須のように思われる(それでもダメかも…)

  • あんさん

    ウイルス学者として、新型コロナウウイルス関連で発言を続ける宮沢先生が、これまでに行なってきた研究や、今後研究したいテーマなどを取りあげる本。私たちの遺伝子にはレトロウイルスの痕跡があることや、種を越えて遺伝子内に存在するレトロウイルスの話、鳥類のゲノムを研究すれば恐竜絶滅の手がかりが見つかるかも、生命の起源は宇宙から来たウイルスのようなものか、など。新型コロナの話よりずっと興味深く、宮沢先生が本来研究したい内容がよく分かった。

  • KAN

    PHP新書で書かれた本書を含む著書の三冊の中で結論的でもあり、ウイルスから生命のあり方、歴史、そしてヒトの存在意義まで考察される著者らしい一冊。コロナ過であろうが、どんな状況でも著者の一貫した学者であり、人間としての良心が感じられてよかった。ゲノム編集ができる時代となりつつも、生命の本質はそれだけでは左右できない、人間の生命全体、宇宙全体の存在に対する尊敬、謙虚さが必要なのだと感じる。

  • 九曜紋

    ウイルス学者による生命論。人間、そして生物はなぜこの世に存在するのだろう?誰しも一度はそんなことを考えたことがあるはずだ。この地球における生命の誕生は偶然か必然か?信心深い人、特にキリスト教徒なら「それは神が創造したからだ」と答えるだろう。科学者である著者は勿論そんな言辞は弄しない。生物と無生物の中間的存在ともいえるウイルスの研究を通して得た著者の生命観は意外にも諸行無常、諸法無我という極めて仏教的なものだった。人類と病気との闘い、絶滅の危機に瀕するコアラ、恐竜絶滅の真相など豊富なテーマが飽きさせない。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items