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震災画報 ちくま学芸文庫

宮武外骨

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480095671
ISBN 10 : 4480095675
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

明治大正期のジャーナリスト宮武外骨による一味違った関東大震災の記録。筆禍事件で何度も投獄された外骨らしく、復興に対する政府の無能ぶりを激しく糾弾しつつも、その眼は市井の人々の生に注がれていく。尋ね人の掲示板と化した上野の西郷隆盛像、人の土地に建てたバラックを売るつわもの、皇居のお堀で沐浴する人々、「丸焼屋」の屋号で再開した飲食店、朝鮮人暴動説を流し虐殺に手を染める自警団…。そこには災害を乗り越えようとする人間の逞しさと、非常時ゆえにさらけ出されてしまう浅ましさがあった。猛火に包まれる寸前の本所被服廠の写真など貴重図版多数収録。

目次 : 論説/ 地震学の知識概略/ 上野公園に集った避難者/ 尋ね人の貼紙/ 上野山王台の西郷隆盛銅像/ 吉原の遊女/ 貧富平等の無差別生活/ 東京を去った百万の避難者/ 見聞雑記/ 写真銅版の実景または図画〔ほか〕

【著者紹介】
宮武外骨 : 慶応3(1867)年讃岐生まれ。明治から昭和にかけて活躍した反骨のジャーナリスト。明治22年に発行した「頓智協会雑誌」に帝国憲法のパロディを掲載して不敬罪で入獄3年。以降「滑稽新聞」「此花」「筆禍史」「猥褻研究会雑誌」「スコブル」「赤」「変態知識」「面白半分」などの新聞・雑誌・書籍を次々と発行。生涯に刊行した出版物は1000点近い。奇抜な表現と方法で権力を揶揄し続け、入獄4回、罰金、発禁などの筆禍29回。晩年は東大法学部内に明治新聞雑誌文庫を創設、その蒐集と保存に尽力した。1955年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 1.3manen

    1923年初出。地震の三種:火山地震 陥落地震 断層地震(17頁〜)。列車の外側に溢れ、天井にも人だらけの、途上国日本の像が描かれている(25頁)。丸善書店の焼け跡写真(69頁)は痛々しい。書店でも、図書館でも、本が焼けてしまったら、何にもならないことがよくわかる。文化遺産を失った悲しみは計り知れない。人間の分身がやられたようなものだから。●大儲けの日銀。大火で焼失した兌換紙幣が3千万円以上とのこと(106頁〜)。震災で半焼無蓋電車横浜で運転(185頁)の絵。

  • たくろうそっくりおじさん・寺

    宮武外骨による関東大震災見聞集。まず内容が面白い。震災に纏わる人々の奇態に注目。上手いと言えない絵や写真も味がある。元々和装本だったそうで、レイアウトも元本のそれを生かした作り。貴重な復刻だと思う。基本的に反権力の人なので痛烈な言葉があるが、時折優しさや愛情を感じる言葉もあり、その人柄が慕わしくなる。もっと外骨の本を読みたい。ちくま学芸文庫にはさらに外骨本を復刻して頂きたいと願ってやまない。

  • 更紗蝦

    明治大正期のジャーナリストである宮武外骨による関東大震災の記録です。私は都内で育ったので、小学生の頃は、9月1日の「防災の日」には必ず校長先生による「関東大震災ではいかに火災が酷かったか」の話がありましたが、『震災画報』を読んで、自分の想像をはるかに超える被害であったことを思い知りました。特に、本所被服廠跡の被害については繰り返し書かれており、外骨がいかにこの場所で起こった悲劇を重視していたかが分かります。震災時であっても(震災時だからこそ?)政治家と官僚の無能さを手厳しく批判する姿勢は、さすが外骨です。

  • たくのみ

    阿鼻叫喚の関東大震災のレポート。報道がない時代に、流言やデマで虐殺、混乱が起こり、朝鮮人や社会主義者が虐殺された事実を勇気持って報道する宮武外骨。そして貫かれる、迷信を否定する科学性、弱者に寄り添う視点、報道規制の厳しい時代に行政の対応の問題点まで見つけている。すごい人いたんですね。川柳が庶民の中でおおきな役割を果たしていたことも面白い。

  • シンドバッド

    稀覯本ともいうべき本か、蘇った。筑摩書房に、拍手喝采

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