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環状島=トラウマの地政学 新装版

宮地尚子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622087380
ISBN 10 : 4622087383
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

著者は「環状島」をモデルに、加害者も含め、トラウマをめぐる関係者のポジショナリティとその力動を体系的に描いた。“内海”“外海”“斜面”“尾根”“水位”“風”などの用語を駆使しながら、トラウマをめぐる全体像とあるべき方向性をしめした初めての試みである。クライアントと日々を共にする医師であり、マイノリティ問題にかかわる研究者である著者自身に必至の課題であった。トラウマに関与するすべての人にとって、本書は実践と倫理のための道標になるだろう。

目次 : 1 トラウマについて語ること―環状島というモデル/ 2 “内海”に沈む被害者たち/ 3 環状島の生成過程―セクシュアル・ハラスメント裁判から1/ 4 複数の環状島―セクシュアル・ハラスメント裁判から2/ 5 複数のイシュー化と複合的アイデンティティ/ 6 脱アイデンティティとアイデンティフィケーション/ 7 ポジショナリティの問いかけ/ 8 加害者はどこにいるのか/ 9 研究者の位置と当事者研究/ 10 環状島と知の役割

【著者紹介】
宮地尚子 : 一橋大学大学院社会学研究科地球社会研究専攻・教授。精神科医師。医学博士。1986年京都府立医科大学卒業。1993年同大学院修了。1989年から1992年、ハーバード大学医学部社会医学教室および法学部人権講座に客員研究員として留学。1993年より近畿大学医学部衛生学教室勤務を経て、2001年より現職。専門は文化精神医学、医療人類学、ジェンダーとセクシュアリティ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ソーシャ

    トラウマを巡る諸相を環状島モデルを用いて描写した宮地尚子先生の代表著作。トラウマを受けた当事者や周囲の人々の動きを分かりやすく描いています。本当に重度の人は話せないのですよね……

  • cochou

    シンプルな形を使って見取り図を持とうとする。相手を知り、自分を知り、加害者との距離を図る。 環状島が描ければ、医学、自然科学、社会科学、芸術などを使って内海に近づくこともできるし、不毛な対立・消耗から身を守る可能性が出てくる。

  • Judai

    トラウマ経験を<環状島>として理解し、人間の位置関係を描いているために、タイトルが「地政学」となっている。森岡正博さん『無痛文明論』を読んだときのような素晴らしさ。前半はなにかこう、自分に寄り添ってくれるような感じがして慰めを感じる。しかし後半は、悪意に満ちた人間の姿に、胃がむかむかする感じ(特に8章)。そしてその悪意は自分にも現在進行形で存在する絶望感。筆者がどうやってこの内容を書いて、「耐える」ことができているのだろうかと思う。その筆者の力のようなものが、今の自分に必要だ。イノセンスの終わり。

  • ずー

    ハラスメント被害と、社会に向かって声を上げることを取り巻く状況について、非常にわかりやすいモデリングがされている本だった。専門的な内容でありながら、文章がすっと入ってくるのも良かった。1989年にセクハラに対する裁判を日本で初めて起こした女性の話や、さらに彼女が心の拠り所にした話として明治時代に遊女の自由廃業権を求めて裁判を起こした女性の話などが書かれており、metooという言葉で全てがまとめられるよりも前に、日本でも声を上げてきた女性がいたことに感銘を受けた。

  • 🍒

    精神会医の著者が「トラウマ」について、当事者、加害者、研究者(支援者)、傍観者の視点についてまとめられていた本。 個人的には語れる当事者にも「トラウマの内海」が存在していて、全て語れるわけじゃないこと。被害者(当事者)にとって環状島モデルの真上に加害者が存在していること。当事者研究についてやパッシングの課題など興味深い内容が盛りだくさんで読んでいて面白かった。図書館本だったけど、自分で買うか再読したいなと思った。

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