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カラヤンがクラシックを殺した 光文社新書

宮下誠

User Review :2.5

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334034832
ISBN 10 : 4334034837
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2008
Japan

Product Description

20世紀を代表する指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤン。その流麗な「美」に魅せられた人は少なくないだろう。しかし、「カラヤン以後」、音楽の風景は一変し、何かが決定的に失われてしまったことに気づいているだろうか。かつて音楽を聴く聴衆は、その成り立ちに息を潜めるがごとく、宗教儀式のように音楽を体験し、享受した。そこには特別な「意味」が存在した—。本書は、カラヤンの音楽と、それを鋭く断罪する二人の音楽家、オットー・クレンペラーとヘルベルト・ケーブルの、絶望や狂気、矛盾や破滅が内在する『危険な音楽』を通して、20世紀から現代までを覆う「負の遺産」を問い直し、音楽、芸術、そして人間存在を考える。

第1章 音楽の悪魔—プロレゴーメナ(死後20年目のブーム
音楽の言語化 ほか)
第2章 流線型の美学—ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908〜1989)(『大地の歌』
人口楽園 ほか)
第3章 孤高の絶対音楽—オットー・クレンペラー(1885〜1973)(満身創痍の鉄人
アンチ・モラリスト ほか)
第4章 絶望の音楽—ヘルベルト・ケーゲル(1920〜1990)(自殺したくなる音楽
途絶えたキャリア ほか)

Content Description

20世紀を代表する指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤン。その流麗な「美」に魅せられた人は少なくないだろう。しかし、「カラヤン以後」、音楽の風景は一変し、何かが決定的に失われてしまったことに気づいているだろうか。かつて音楽を聴く聴衆は、その成り立ちに息を潜めるがごとく、宗教儀式のように音楽を体験し、享受した。そこには特別な「意味」が存在した―。本書は、カラヤンの音楽と、それを鋭く断罪する二人の音楽家、オットー・クレンペラーとヘルベルト・ケーゲルの、絶望や狂気、矛盾や破滅が内在する『危険な音楽』を通して、20世紀から現代までを覆う「負の遺産」を問い直し、音楽、芸術、そして人間存在を考える。

目次 : 第1章 音楽の悪魔―プロレゴーメナ(死後20年目のブーム/ 音楽の言語化 ほか)/ 第2章 流線型の美学―ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908〜1989)(『大地の歌』/ 人口楽園 ほか)/ 第3章 孤高の絶対音楽―オットー・クレンペラー(1885〜1973)(満身創痍の鉄人/ アンチ・モラリスト ほか)/ 第4章 絶望の音楽―ヘルベルト・ケーゲル(1920〜1990)(自殺したくなる音楽/ 途絶えたキャリア ほか)

【著者紹介】
宮下誠 : 1961年東京都生まれ。鎌倉在住。國學院大学文学部教授。早稲田大学卒業。スイス国立バーゼル大学哲学博士。専攻は20世紀西洋美術史、美術史学史、画像解釈学、一般芸術学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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現代が「絶望と悲嘆の時代」と書かれている...

投稿日:2014/11/25 (火)

現代が「絶望と悲嘆の時代」と書かれているが、何も現代が特別な時代とは思いません。そして、カラヤンの音楽を聞くことが時代に背を向けているとも思いません。資本主義の罪悪をカラヤンに代表させるのも無理があると思います。カラヤン批判に他のアーティストを対比させる方法論も素人の域を出ていません。哲学や社会学の言葉を並べ立てる書き方も、読み手には分かりにくいです。著者の言いたいことが最後まで分からなかったのは、私の知的読解力のなさによるものでしょうが、もう少し噛み砕いた書き方ならば、読者の支持ももう少し得られたかもしれません。それにしても、読後の印象は「先生、考えすぎ!」。

umibouzu1964 さん | 山口県 | 不明

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テーマにも焦点が合っているようにも思えな...

投稿日:2011/01/21 (金)

テーマにも焦点が合っているようにも思えないし、文章も構成もごちゃごちゃしていて、内容云々以前に、もっと整理して出版すべきだと思う。またデータもかなりいい加減だ。例を挙げると…まず(「はじめに」のページが27ページと有るから、その前のページは26ページと推測)26ページに『ケーゲルのアルビノーニのアダージョが含まれたアルバム』として紹介されているCDのジャケットだが、このジャケットのCDにはアルビノーニのアダージョは録音されていない。この写真に記載されてある作曲者の羅列にアルビノーニの名前がないことからも明らかである。また68ページの9行目に「モーツアルト最後の変ホ長調交響曲(第39番)」と書かれてあるが、第40番や第41番の存在をご存じないはずはないと思う。(まさか「39番の後には変ホ長調は書かれていない」という意味ではないですよね?) こんな単純なツッコミを入れられてしまうわきの甘さに加え、カラヤンに対する批評も すでに言い尽くされたことだらけで新鮮さも皆無だった。ただ 突っ込み所を探しながら読み進めるにはけっこう楽しい読み物である。それが証拠に、かくも多くの皆さんからコメントいただいて、賛否両論を巻き起こしている。

ヒューブーン さん | 静岡県 | 不明

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これはただ単に筆者の好みを押し付けただけ...

投稿日:2010/06/06 (日)

これはただ単に筆者の好みを押し付けただけの単純な内容ではない。カラヤンをあくまでも「象徴」として、現代社会全般を批判、警鐘を鳴らしている内容である。クラシック音楽をただ聴くばかりではなく、「そもそもクラシックって何なのか?今のままで本当にいいのだろうか?我々に出来ることは一体なんなのか?」等々、我々に考えさせる機会を与えてくれる稀有な本であることは間違いない。ろくに中身を読みもせず、タイトルだけでカンカンに腹を立てている人(このHPの読者にはそんな人はいないと信じたいが)って案外多いような気がする。

yass さん | 大分県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • キムチ

    クラシックの啓蒙はカラヤンによってと云う印象の私。かなり過激なタイトルだからこそ読んでみる。 社会人類学の教授にしては主観が強すぎ。芸術自体、主観が色濃く入るものゆえに、こうぶった切るのは如何なものか。 ポストを巡って敗北したクレンベラ-を取り上げ、「20世紀の損失」と断定している。ふ〜〜ん、凡人には納得しかねるが拝金主義者とか小人とまでいわれるとねぇ〜 いい読後感は持てなかった。

  • 牧神の午後

    すごくイヤな感じ。好みは筆者と似ているところもあって、クレンペラーの復活、マラ7,ケーゲルのタコ5とか、もっと言ってしまえばタイトルでウリにしているカラヤンへの悪意ですら、筆者の印象・評価に同意なんだけど、如何せん印象批評以前の、個人的な感覚をさも普遍化できるような書き振りが、もう読んでいて気持ち悪い。それに、カラヤンと対峙せしめるのにクレンペラーとケーゲルなのか?というのもチョット違うような気がする。たとえば、カラヤンと表面は同じ完璧主義で出てくる音楽真逆のトスカニーニ、完全真逆のレニー、或いはチェリ。

  • Viola

    興味あるタイトルに古書フェアで購入。著者は世界の苦悩に目を背け刹那的な音楽を作るカラヤンと、それを受け入れて賞賛する聴衆に怒ってるわけです。なるほど、たしかにフルトヴェングラーとカラヤンのブラ1を聴いてみると同じ譜面とは思えない。才能を欲しいままにしているカラヤンが、ヒーリング音楽とも言われる心地よく華やかな音作りに終始したことに愛情の裏返しでぼやいているように思える。言いたいことはわかる。音楽の感想は経験や感性を通した個人的なものであること、指揮者での違いを知ったことは収穫。文章は熱すぎて面白い。

  • さえきかずひこ

    時代錯誤と承知の上で、ポストモダン批評を好まない筆者により、あえて徹底した印象批評が展開される。カラヤンがポップで薄っぺらであることがひたすら憎いのかと思い読み進めていくとその"表面的な流麗さ"に愛憎半ばしている感じもあり、微笑ましい。しかしひたすら大仰な文体にはくたびれる。新書というメディアの特性を捉え損ねているのではないか。カラヤンというアイコンを用いた大衆批判としては構成にムラがあり、気分は分かるが、主観的過ぎて退屈な一冊。次は批評に特化した入門書でも書いたらどうか。

  • ピラックマ

    カラヤンの制作アルバム数は約900点、販売総数1億枚超。 総曲目数1189曲(再録音等含む)、生涯コンサート数、判明分だけで3198回。CDの収録時間の規格は、カラヤン指揮のベートーヴェン第9が収まる時間である74分に設定された。コンサートに行かないと聴けない状況打破のため、レコード化、CD化、LD化も率先して実施。良い音、絵のためには一発録音・録画ではなく繋いで編集も厭わない。

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