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密航のち洗濯 ときどき作家

宋恵媛

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784760155569
ISBN 10 : 4760155562
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

1946年夏。朝鮮から日本へ、男は「密航」で海を渡った。日本人から朝鮮人へ、女は裕福な家を捨てて男と結婚した。貧しい二人はやがて洗濯屋をはじめる。蔚山、釜山、山口、東京―洗濯屋の「その後」を知る子どもたちへのインタビューと、わずかに残された文書群を手がかりに、100年を超える家族の歴史をたどる。

目次 : 密航1946/ 第1章 植民地の子ども(朝鮮 1911‐24/ 日本 1924‐44/ 朝鮮 1944‐46)/ 送還 1946/ 第2章 洗濯屋の家族(尹紫遠 ユンジャウォン/ 大津登志子 おおつとしこ/ 泰玄 テヒョン たいげん/ 逸己 いつこ イルギ)

【著者紹介】
宋恵媛 : 博士(学術)

望月優大 : ライター。著書に『ふたつの日本―「移民国家」の建前と現実』(講談社現代新書、2019年)。認定NPO法人難民支援協会が運営するウェブマガジン『ニッポン複雑紀行』の編集長を務める。様々な社会問題に取り組む非営利団体の支援にも携わっている

田川基成 : 写真家。長崎県出身。土地と記憶、移民と文化などをテーマに作品を撮る。千葉に暮らすムスリムのバングラデシュ移民家族の5年間の生活を写した「ジャシム一家」で第20回三木淳賞。故郷・長崎の離島沿岸部への約4年に渡る旅を記録した写真集『見果てぬ海』(赤々舎)で2022年日本写真協会新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 遥かなる想い

    第46回(2024年)講談社ノンフィクション賞。 戦後 朝鮮から日本に密航し、洗濯屋として生きた家族の物語である。 戦後 占領下のあった朝鮮と日本の風景が 日記の形で蘇る。貧困の中、朝鮮人作家と その家族はどう生きたのか…戦争に翻弄された 朝鮮人一家の苦闘の物語である。

  • fwhd8325

    素晴らしいという感想が的確かわかりませんが、このような作品は、たくさんの方に読んでもらいたいし、たくさんの方が知ってほしい内容だと思います。このような歴史をしっかり教育に組み込むことが大事なんだと感じます。今、一部の人だけでなく、国家がこうした歴史を繰り返そうとしている。

  • たま

    尹紫遠さん(1911年生)は24年〜44年を日本で過ごし、一時期朝鮮に戻るが46年、混乱を逃れて日本へ密航、針尾収容所に収容されるも逃げ出し、働きながら小説を書き64年死去。この時期の密航者がその経験を書き残した例は少なく著者は彼の足跡を辿る(1)。私には尹さんの家族が興味深かった。妻登志子さんは日本の裕福な家庭の出身 (2)。長男の泰玄さんは苦学して大学を卒業、外資系銀行に就職(3)。長女逸己さんも苦学しつつ結婚、離婚、町工場で働き親の面倒を見る。彼らの国籍の変遷、その複雑さに国と法律の非情を思う。

  • kawa

    戦前から朝鮮半島と日本を行きつ戻りつ密航を繰り返した尹紫遠(ユン・ジャウォン)。戦後、零細クリーニング店を経営しながら作家を志したが、その作品は陽の目を見ることはなかったようだ。本書は、彼の作品の抜粋を交えながら、彼と家族の過酷で特異な人生を追う異色のオーラル・ヒストリー。本書に描かれるような、国家・国民間の軋轢の中で理不尽で言葉に言い合わせられない苦労を背負った人々は数多くいると想像するのだが、このような記録として多くの人に提示できることは稀なのだろう。そこにだけでも本書の意味が大いにあるのだと思う。

  • Kerberos

    共著者のひとり望月優大は、急増する日本への移民問題の専門家としてさまざま情報発信している。しかしそのターゲットはいうまでもなく移民というプリズムを透して見える日本であり世界である。在日(朝鮮人・韓国人)の存在は日本固有の歴史問題のように見えるが、つまるところ人類普遍の問題である。主人公の尹紫遠は日韓併合期の在朝日本人問題をも浮かび上がらせた。歴史の掘り起しという意味で価値のある作品だ。それにつけても国境が存在し続ける限り移民は生まれる。「合法」移民でなければ「密航」と呼ぶ安易さに警鐘を鳴らす労作でもある。

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