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野の古典

安田登

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784314011808
ISBN 10 : 4314011807
Format
Books
Release Date
December/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

古典には立派なことばかり書いてあるわけではない。底無しの煩悩、醜い邪心、制御不能な愛欲、えげつない話―教科書には載らない部分こそ、人間の真の姿を映し出してくれる。『古事記』『万葉集』から『南総里見八犬伝』『武士道』まで、能楽界の奇才が縦横無尽に語る。妄想力を全開に古人の記憶を呼び覚ます、異界を彷徨う脳の快楽。声に出して謡って舞って、身体に沁み込む二十四講。

目次 : 神話の大便、扇と夏の恋――『古事記』、藤原定家/ お正月と罪と生贄――『古事記』/ 歌の世界へ――『万葉集』/ アダルト小説的――『御伽草子』『風土記』/ 『論語』はすごい――『論語』/ 誠を極める――『中庸』/ ゲス不倫どころではない――『伊勢物語』/ 源氏物語ごっこ――『源氏物語』/ 魂を鎮める――『源氏物語』、能『葵上』/ 呪詞としての和歌――『古今和歌集』『新古今和歌集』/ 音の文学――『平家物語』/ 闇の文学――『平家物語』/ 眠りの芸術能――『黒塚(安達原)』/ 初心忘るべからず――『風姿花伝』/ 随筆なう――『方丈記』『徒然草』/ 優雅な貧乏生活――『鶉衣』/ カネとオンナ――『好色一代男』『日本永代蔵』/ 野の賢者松尾芭蕉/ ゆっくり歩く――『おくのほそ道』/ きわどいベストセラー――『東海道中膝栗毛』/ 怪談、怨霊、鎮魂――『死霊解脱物語聞書』『雨月物語』/ 漢文と日本人――『詩経』『笑府』ほか/ 声に出して読みたくなる――『南総里見八犬伝』/ わたしたちは何者か――『武士道』

【著者紹介】
安田登 : 1956年、千葉県銚子市生まれ。下掛宝生流ワキ方能楽師。高校の国語教師だった二十四歳のときに能と出会い、二十七歳で重鎮・鏑木岑男氏に入門。現在は能楽師として国内外で活躍しながら、能のメソッドを使った作品の創作・演出・出演などに精力的に取り組んでいる。東京・京都をはじめとする各地で社会人向け寺子屋を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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『 野の古典 』入りやすく、わかりやすく、...

投稿日:2021/07/26 (月)

『 野の古典 』入りやすく、わかりやすく、間口を大きく広げてくれている印象があります。もしくは多方面へ開け放ってくれている感じも。まさに野!本のサイズ感も文字や見出しの大きさも、行間の取り方もデザイン含めて見やすいことで、内容そのものに触れやすいなぁと思います。とても面白い空気感を帯びていながらも、考えさせてくれるところもありで、充実しています。「 はなれたら継げはなれならつげ幾度も破れ世中にあらむかぎりは 」生きてさえいれば、何があっても修復できる。と言う伝統的な技法の金継ぎに、人生のメッセージが込められていたり、さらっと読めるのに、熱さもあります。古典に触れることの素晴らしさについて「わたしたちは古の人々の感覚、思考、身体を体験することができます。その体験や英知が、未来を考えるのに役立つのです。」と語っていたり、さらには、「極上の娯楽」とか「至福の脳内トリップ。」と言う表現までも飛び出している程です。楽しめる一冊です。

seigo-hk さん | 長崎県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • びわこっこ

    国語教師で古典と親しむ機会は多かったが、教科書に載る時点で、何人もの翻訳・現代語訳がなされ、検定を経ている現代語訳古典と違って、筆者に書かれたままの素の古典。人間の生き様が現れている。恋の歌が多い和歌ならば、生々しいSEXの話題もあるだろう!だが、学校の授業では扱えない! タブーが描かれるからこそ、面白いと言える! 野の古典とはよく言ったものだ! 素の古典で訳さずにそのままを味わうのだから、筆者の思いも欲もそのまま現れている。教師の時に出会いたかった!

  • 翡翠

    古典はとっつきにくかった。何故なら古典の授業は苦行で、何が面白いのか全くわからなかったから。けれど安田さんの解説は、めちゃくちゃ面白い。藤原定家の歌なんて、そんな色気のある内容だったなんて。この本を読めば目から鱗がぼろぼろ落ちること必須です。

  • KKobayashi

    様々な古典のエッセンスがつまった本でした 原文にふれてみたいと思います。 学生時代に読めていたら、古典に興味を持てていたかもしれないですね。 学校の教育で使いにくい、内容だったとは。 温故而知新  まだまだこれからです。

  • 鴨長石

    某巨大掲示板創設者が「学校で古文・漢文をやるのは無駄」というようなことを言っていたが、本書を読めば意見も変わるのではないか。それほどに本書の各古典の紹介は魅力的だった。自分も学生時代古典の授業は退屈でしかなかったが、今思えばもったいなかった。原文で読むのはまだハードルが高いが、それでも読むことができるというのは世界的にも稀有なことと知って、いつかはチャレンジしなければならないと思った。節をつけたり舞ったりしながら朗読するという発想も斬新で、その様子を思うだけで楽しくなってくる。

  • クサバナリスト

    古典も先生や学者ではなく、「能」等の職業を通し古典に触れている方から紹介されるととても興味がわいてくる。

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