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ラブカは静かに弓を持つ 集英社文庫

安壇美緒

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087447682
ISBN 10 : 4087447685
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2025
Japan

Content Description

【2023年本屋大賞第2位】
【第25回大藪春彦賞受賞】
【第6回未来屋小説大賞第1位】
【第44回吉川英治文学新人賞候補】
【第69回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高等学校の部)選出】

深く潜れば潜るほど、主人公と自分を重ね、浅葉先生に救われ、突き刺される。
暗い深海で一筋の光にすがるように、どうか壊れてしまわないでと願いながら、一気に読み終えました。
限られた文字数では、語りきることなどできません。
この物語はこう紡がれ、奏でられるしかなかったのだと、心から感じました。
まだずっと、余韻が残響のように、自分の中で鳴り続けています。
――斉藤壮馬さん(声優)

その人は尊敬すべき師であると同時に、得がたい友人になった。
内向的な青年の冷めた視線に映し出された世界が、次第にみずみずしく光に満ちた世界に変わっていく。
たとえその前提が裏切り行為であったにしても。
――篠田節子さん(作家)

優れた演奏を聴き終えたかのような感動が胸に満ちてくる。
嘘を重ねる主人公にこうまで味方したくなるのは、
書き手の筆に嘘がないからだろう。
〈音楽の力〉によって結びつき回復してゆく人々を、
〈言葉の力〉で描ききった希有な小説。
――村山由佳さん(作家)

武器はチェロ。
潜入先は音楽教室。
傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。
大反響を巻き起こした、心震える“スパイ×音楽”小説!

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り‥‥。

<文庫版限定!>
・単行本未収録スピンオフ短編「音色と素性」収録!
・声優・斉藤壮馬さんの朗読(購入者&期間限定)&解説付き!(紙版限定)

【著者略歴】
安壇 美緒 (あだん・みお)
1986年、北海道生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2017年、『天龍院亜希子の日記』で第30回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。20年、北海道の中高一貫の女子校を舞台にした青春長編『金木犀とメテオラ』を刊行。22年、『ラブカは静かに弓を持つ』で第6回未来屋小説大賞第1位選出。23年、同作で第25回大藪春彦賞受賞、第20回本屋大賞第2位選出、第44回吉川英治文学新人賞候補、第69回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高等学校の部)選出。

【著者紹介】
安壇美緒 : 1986年、北海道生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2017年、『天龍院亜希子の日記』で第30回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。20年、北海道の中高一貫の女子校を舞台にした青春長編『金木犀とメテオラ』を刊行。22年、『ラブカは静かに弓を持つ』で第6回未来屋小説大賞第1位選出。23年、同作で第25回大藪春彦賞受賞、第20回本屋大賞第2位選出、第44回吉川英治文学新人賞候補、第69回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高等学校の部)選出(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ALATA

    不思議なタイトルを持った一冊。幼少期のトラウマに苛まれる橘、十二年前の事件、飴色に鈍く光るチェロを胸に抱く姿が痛々しい。社内派閥、潜行捜査と深い海の底で醜く泳ぐ第一章はなかなか進まなかった。チェロ教室の仲間と触れ合うことで少しずつ心が開かれていく第二章でこころが救われる思い…低く微かに鳴り響くチェロの調べがやがて霧が晴れるように葛藤を乗り越える、樹の成長する姿が見えて良かった★3※ラブカ?調べてみると水深1,000m近くの深海に生息している深海魚なんですね。音楽の力は素晴らしいと再認識の一冊でした。

  • Willie the Wildcat

    強制的な暗闇と燃やされた楽器が、それぞれ間接・直接的に「不信」を増殖。距離と打算の積み重ねによる心の捻じれが、「鼓動」として警鐘。業務の必然性とチェロとの再会という偶然性、前者が後者に溶融される感。印象的なのが、主人公が著作権を熱く語った場面。表層の潜入vs.深層の潜入、2つの狭間における苦悩と葛藤という感。教室に集う無垢、象徴がイツキ。コンサート会場とアンサンブル会場、2度の”再会”の件にグッとくる。成長過程で横に置いたモノ。大人になったからこそ、心底に素直に向き合える愉しみ・歓び也。

  • ぼっちゃん

    文庫で再読。全日本音楽著作権連盟の上司から音楽教室へ潜入調査するよう命じられた主人公が、教室の先生、仲間への裏切りに苦しみながら、音楽、先生、仲間を通し子供の頃のトラウマから解放されていく再生の物語で、大藪晴彦賞、未来屋小説大賞、本屋大賞2位、青少年読書感想文課題図書と色々の賞に輝くのもうなずける作品。【サイン本】

  • カブ

    面白かった。読んでよかった。とっても心地よい読後感。スパイと音楽がとってもスリリング。チェロの深い音色が聴こえるような心地よさ。

  • piro

    上司の命による音楽教室での潜入調査、その為に講師や教室の仲間達を欺く事に罪悪感を抱く橘。それでも浅葉の指導の下チェロの演奏に没頭する事で、少しずつ安らぎを得て行く橘の再生に、音楽の力を感じます。深海で静かに暮らす深海魚ラブカの孤独は橘の孤独にも通じる。そんな中、静かに弓を引く事で自らを癒やし、いつの間にか新たな世界に踏み出していく橘に希望を感じられて良かった。所々粗さは感じるものの、チェロの優しく深みのある音色に包まれた小説でした。

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