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心の傷を癒すということ 角川ソフィア文庫

安克昌

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784043634019
ISBN 10 : 4043634013
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2001
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
安克昌 ,  

Content Description

1995年1月17日未明、震度7という激震が阪神・淡路地方を襲った。全てが手探りの状態で始まった精神医療活動、発症する数々の精神障害、集まった多くのボランティア、避難者や仮設住宅の現実…。震災がもたらした「心の傷」とは何か?そして本当の「心のケア」とは何か?被災地から届けられた、「いのちとこころ」のカルテ。第18回サントリー学芸賞受賞作。

目次 : 第1部 震災直後の心のケア活動1995年1月17日〜3月(私の被災体験/ 精神科救護活動はじまる/ 直後に発症した精神障害/ 精神科ボランティアの活動)/ 第2部 震災が残した心の傷跡1995年4月〜96年1月(PTSDからの回復/ 死別体験と家族/ その後の心のケア活動/ 避難所と仮設住宅の現実/ 変化してゆく意識)/ 第3部 災害による“心の傷”と“ケア”を考える(“心の傷”とは?/ “心のケア”とは?/ 災害と地域社会)

【著者紹介】
安克昌 : 1960年、大阪市生まれ。神戸大学附属病院精神科勤務を経て、神戸市西市民病院精神神経科医長を務める。阪神・淡路大震災直後より、全国から集まった精神科ボランティアをコーディネートし、避難所などでカウンセリングや診療活動を行う。『心の傷を癒すということ』にて第18回サントリー学芸賞を受賞。PTSD(心的外傷後ストレス障害)の若き研究家として治療活動に尽力するも、2000年12月、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ゆいまある

    夭逝した安先生。トラウマの専門家であり、阪神淡路大震災の折には日本中から集まったボランティア精神科医を纏めあげた人物(同じ時期に日本語話者最高の知性、中井久夫もいた)。震災直後から実に誠実に自分自身の心の動きを書き綴った本書。最初動揺と哀しみ、次は軽躁、そして抑鬱や疲労がやってくる様子がよく分かる。個別の診察よりもグループでのデブリーフィングが有効と感じられた。確かに大災害起きると躁病が増える。トラウマケアのベースとなる一冊。もっと早くに読んでおくべきだった。KU

  • せ〜や

    すごい一冊。震災時のボランティアは自己満足では?と思ってましたけど、この一冊を読んで、ボランティアの必要性を、もっと言うならただ「存在する」という事の大切さを実感。支援する・されるのタテ関係ではなく、する・されるではなく、ただ傍にいるというヨコの関係なんですよ。ぜひ、支援者・被支援者とかの言葉を使って活動している人達に読んでほしい。「苦しみを癒やす事よりも、理解する事よりも、苦しみがそこにある、という事に気付かないといけない」。その通り。どうするかではなく、ただそこにある事を一緒に感じる事の大切さを。☆5

  • ネギっ子gen

    【阪神大震災直後の記念碑的な書】自らも被災し、“野戦病院”と化した大学病院内で、<戸惑い、ぶつかり、出口を模索しながら、こころのケアのネットワークの立ち上がりの一翼を担った>著者による、魂の記録。本書でサントリー学芸賞受賞するも、2000年に癌のため39歳で早逝したのが惜しまれる。その震災から25年経った年に、NHKにて『心の傷を癒すということ』と題されドラマ化されている。師である中井久夫先生が序で記するように、「(著者の)悼みと願い、怒りと希望」をどのように読み取るか読み手が問われる読書になった―― ⇒

  • coco

    安さんご自身も阪神・淡路大震災で被災されて大変な状況の中、震災によって「心の傷」を負った人たちに、精神科医としてどのようなケアを行っていくべきか考え、行動なされた記録が綴られています。精神科医としての立場からみた震災後の当時の様子が丁寧に書かれているので、私自身も「心のケア」がなぜ重要とされているのか、どのような役割を果たしているのかをきちんと理解するために考えながらゆっくり読み進めることができました。 (1万円選書@)

  • コージー

    ★★★★★阪神淡路大震災後の「心のケア」を語った、ある精神科医の実録。「復興という言葉は嫌い。壊れたものや亡くした人を蘇らせることはできない」という、家族を失い生き残った男性の言葉が紹介されていたが、明るい未来へ向かう「復興」を掲げた被災地には、素直には受け入れられない様々な思いが裏に隠されているのだなぁと、今さらながら思い知らされた。15年以上前の本だが、心のケアの奥深さを改めて実感できる、素晴らしい本だと思う。しかし解説に掲載されている著者の最期は、何とも悲しい結末である。

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