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民主主義のつくり方 筑摩選書

宇野重規

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480015839
ISBN 10 : 4480015833
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

民主主義は今、不信の目にさらされている。決定までに時間がかかり、「民意」は移ろいやすい…。だが、社会の問題を共同で解決する民主主義を手放してしまえば、私たちは無力な存在となる他ない。ならば、この理念を再生させるには何が必要か?「習慣」と「信じようとする権利」を重視する“プラグマティズム型”の民主主義に可能性を見出す本書は、この思想の系譜を辿り直し、日本各地で進行中の多様な実践に焦点を当て、考察を加えてゆく。未来が見通しがたい今、「民主主義のつくり方」を原理的に探究した、希望の書である。

目次 : 第1章 民主主義の経験(アメリカという夢/ プラグマティズムと経験/ 戦後日本における経験)/ 第2章 近代政治思想の隘路(閉じ込められた自己/ 依存への恐怖/ 狭まった対話の回路)/ 第3章 習慣の力(偶然から秩序へ/ 習慣と変革/ 民主主義の習慣)/ 第4章 民主主義の種子(「社会を変える」仕事とは?/ 「島で、未来を見る」/ 被災地に生きる)/ おわりに プラグマティズムと希望

【著者紹介】
宇野重規 : 1967年、東京都生まれ。91年、東京大学法学部卒業、96年、同大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。政治思想史、政治哲学を専攻。現在、東京大学社会科学研究所教授。『政治哲学へ―現代フランスとの対話』(東京大学出版会)にて第二二回渋沢・クローデル賞LVJ特別賞を、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社選書メチエ)にて2007年度サントリー学芸賞(思想・歴史部門)をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ころこ

    注目すべきところは、デモクラシー(著者は民主主義とはいいません。トクヴィルのいうデモクラシーは狭い意味の政治体制のみならず、それを支える精神性や不断に行う漸進主義的なメタ規則までも含むからです。)とプラグマティズムが出会っているところにあります。ルソーに代表される大陸系の経験の背後にはものごとの本質があるとする基礎づけ主義を哲学的背景に持ったデモクラシーとは異なる、オルタナティヴのデモクラシーを模索します。確かに分かり易い著者の本の中でもパフォーマティヴに実践的な本なので、第4章の日本における民主主義の実

  • 翔亀

    民主主義論の常識を覆し、「ルソーの一般意思というフィクションなしで民主主義を構想」しようとする理論的挑戦の本。求めるべき社会像のない時代、答えがわからない時代だからこそ、意思は行為に先立って真として存在するのではなく、行為の後に自分の意思を発見する、というプラグマティズムの思想が有効となる。実用主義と訳され哲学的深みに欠けるというイメージは完全に誤っていると、ジェイムズ、パースを読み解き、ソーシャル・ビジネスや隠岐の海士町、釜石の復興における<プラグマティズム型>民主主義の実践に希望を見出す。新鮮だ■95

  • きいち

    主義や理念に頼って見えない未来をコントロールしようとすることは、却って事態を硬直化させ、出会うべき経験も他者との対話も不可能にしてしまう。でも、「すべての人は、自分なりの仕方で、自分なりの答えを探す権利を持つ」、だから善い悪いじゃなく、試しながら、前へ。プラグマティズムに寄せてヌケヌケと語られるこの希望。僕には自分がハマっている宮本常一を語ったものにしか聞こえなくて、本当に魅力的だ。そういえば、紹介される海士町や釜石の事例だって、宮本にそそのかされた篤農たちや周防猿回しの会の動きぶりにそっくりだものねえ。

  • 壱萬弐仟縁

    「自分たちの力で、自分たちの社会を変えていくことが民主主義の本質」(018頁)。だが、効率は悪いので経済性は低いともいえる。私が実感したのは、田中康夫元長野県知事が就任した頃の信越放送収録時間を終えてから、まだ発言していない人に最後のおひとりまで聞いていったことから言えるのだ。民主主義は即効性は望めない。その代り、公平性や格差是正には必要な手続きであろう。昨日の選挙では、棄権した人が全員投票していれば、結果は覆った筈。行かなかった人の責任が問われるのが民主主義であってほしい。参加なくして民主主義なし。

  • 左手爆弾

    本書の目的は、合理論的な主権論から経験論的なプラグマティズムに民主主義をシフトさせる、と要約できる。つまり、最初から完成された民主主義の理念を置いて演繹するのではなく、経験≒実験を通じて習慣を作り出し、帰納な改良を目指す試みである。プラグマティズムの紹介としても良い。ただし、社会的な実験を通して人々の習慣を改良するという試みは、おそらく常に試みられていることで、それを政治権力はどう受け取るかといった問題になると、主権論的アプローチも必要になるのではないかとも思う。色々考えさせられる。

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