Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

• skunk_c

  読了日：2024/12/18

  ヨーロッパの小都市で日本では考えられないような交通へのアクセシビリティが実現している話が前半に登場。当然収支はどうなっているのかと思うわけだが、その交通手段だけでないまちづくりを考え、その上で公的資金なども入れながら、魅力ある街を作り、人を引きつけていくという発想は新鮮だった。後半はヨーロッパのSUMPという交通を軸にした目標設定、参加型の街作りの指針を解説しているが、日本ではなかなかもてない発想で、赤字路線を切り捨て、地域の魅力を減らし、人口流出という悪循環からの脱却への大いなるヒントと思った。

• うえぽん

  読了日：2025/01/04

  交通経済学、交通工学の識者2名が、欧州等の取組を参照しつつ、日本における持続可能な交通まちづくりの理想を描いた本。宇都宮、富山、ひたちなか、小山という国内の優良事例に加え、僅か人口41万のオーストリア・フォアアールベルク州での大都市並みの公共交通サービス実現までの道筋を紹介。EUでは交通アクセスやQOLの向上を目指し、初期段階から住民参加を重視し、交通手段分担率を主目標としたSUMPの策定実行が肝だとするが、日本では公共交通に係る公民の役割分担の見直しに加え、収益性と財源の捉え方の変更が必要になるだろう。

• おせきはん

  読了日：2025/01/11

  日本の交通政策が既存の民間事業者による事業継続に配慮したものとなっており、人々の移動という視点から交通のあるべき姿を論じ尽くせていない状況を、欧州との比較から具体的に理解できました。日本にも優良事例はありますが、なかなか同様の取り組みが広がらない状態が続いているのは、そのことに一因があるのではないかと思いました。

• とみやん📖

  読了日：2025/01/23

  ヨーロッパの事例を通じて、公共交通が社会や地域に対して果たしている役割の大きさを主張されている。日本では交通機関は民間が経営していて、国が路線や運賃の認可をしているものの、採算が合わなければ減便や廃止がなされるが、ヨーロッパでは、まちづくりに欠かせず、市場の失敗が発生する分野であり、公共負担が当たり前と捉え、国や州、市が、維持に義務を負うとともに、プランも市民参加による議論やエビデンスに基づく検討を踏まえて作成し、財源も駐車場料金や税金などにより確保しているとのこと。彼我の差は大きい。

• 木ハムしっぽ

  読了日：2024/12/21

  多様な交通手段を整備することが快適なまちづくりを実現できる肝だという、目からウロコの政策を展開する。国内では宇都宮市がその好例で路面電車を引くことで渋滞が緩和し、電停を中心に街が発展しつつある。利便性の高い公共交通機関を先回りして提供し、車社会からの脱却に成功しているオーストリアの地方都市フォアアールベルク。一度は訪れてみたい。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します