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企業変革の思想と実践 「構造的無能化」はなぜ起きるのか

宇田川元一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784296115921
ISBN 10 : 4296115928
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Content Description

"◆『他者と働く』(「HRアワード2020」書籍部門最優秀賞)で
多くの読者の共感を呼んだ理論と実践をつなぐ経営学者、待望の書き下ろし

■人的資本経営、アジャイル経営、1on1、リスキリング、心理的安全性の向上‥‥ビッグワードだけでは組織は変われない。組織変革やイノベーションを妨げるメカニズムはなぜ、どのように生じ、どうすれば乗り越えられるのか。「対話」や「ナラティブ・アプローチ」という手法を鍵に、実践と理論の両面から組織の問題に向き合い続けてきた経営学者が、現代の企業が直面する諸問題を構造的に読み解き、新たな企業変革のビジョンを提示する。

■「足元の業績はさほど悪くないが緩やかに業績が落ちている」「既存事業以外の領域で新たな事業開発ができていない」「変革疲れで現場が無力感に包まれている」「よいアイデアも他部署の協力が得られない」‥‥。あなたの職場ではいま、こうした問題が起きていないだろうか。本書ではいま、多くの企業が直面するこれらの問題が、なぜ、どのようなメカニズムで生じるのかを、著者が実際に関わってきた様々な企業の変革の実践例などを紹介しつつ、人間の心理的側面を重視する広範な理論にも照らしながら、丁寧に読み解いていく。

■キーワードの一つである「構造的無能」とは、環境変化や事業機会に対して組織的に必要な行動が生じない、あるいは、組織能力と人的能力の欠落が、構造的・慢性的に起こることを指す。それはたとえば、社内の士気が下がる→新規事業開発ができない→事業の幅が広がらない→効率性重視の分業体制が敷かれる→新規事業を軌道に乗せる上で必要なコンセンサスが得られない、といった組織の悪循環につながる。

■本書ではそうした問題の構造を、「多義性」「複雑性」「自発性」という3つの論点から丹念に掘り下げ、各事業部門のメンバー層、人事や経営企画などの部門、さらには経営層まで、広くそれぞれの立場と問題意識に寄り添いつつ、今多くの企業で必要な企業変革を実現するための道筋を示すものである。

■それと同時に、本書のもう一つの目的は、新たな変革の思想を示すことにある。それは組織で働く一人ひとりが組織の中で自発的に自分の位置と役割を見出すことであり、今置かれた状況の中で、一歩ずつ地道な取り組みを続けることでもある。この「今ここからの視点」の意義を問うことが、本書のもう一つのねらいである。

【本書の位置づけと対象読者】

著者の『他者と働く』(NewsPicks,2019)は組織のメンバー層を、2作目の『組織が変わる』ではミドル層を主な読者のターゲットとしてきました。これらの著作に通底するのは、複雑な関係性の問題、例えば、自己と他者、あるいは、物事の理解と実践とのギャップをどう乗り越えるかという著者の問題意識です。3作目となる本書ではさらに、人事、経営企画などのコーポレート部門や経営層の方々にも広く役立つ内容となります。"

【著者紹介】
宇田川元一 : 経営学者。埼玉大学経済経営系大学院准教授。1977年、東京都生まれ。立教大学経済学部卒業後、同大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。明治大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得。早稲田大学アジア太平洋研究センター助手、長崎大学経済学部講師・准教授、西南学院大学商学部准教授を経て、2016年より埼玉大学大学院人文社会科学研究科(通称:経済経営系大学院)准教授。専門は、経営戦略論、組織論。対話を基盤とした企業変革について研究を行っている。また、大手企業やスタートアップ企業における企業変革やイノベーションの推進に関するアドバイザーとして、その変革を支援している。2007年度経営学史学会賞(論文部門奨励賞)。日本の人事部「HRアワード2020」書籍部門最優秀賞受賞(『他者と働く』)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • エジー@中小企業診断士

    日本企業の「緩やかな衰退」を慢性疾患に例えて組織劣化の問題を「構造的無能化」と呼ぶ。企業変革のジレンマ=変革の必要性と短期的な目標達成。問題解決が表層化し問題の背後にある複雑な問題(問題の二重性)を紐解けない。企業変革プロセス@全社戦略を考えられるようになるA全社戦略へのコンセンサス形成B部門内での変革の推進C全社戦略・変革施策のアップデート。企業の環境適応→断片化⇔表層化⇔不全化。ワイク「適応が適応可能性を排除する」企業変革に必要な3つの論点=多義性・複雑性・自発性。変革支援機能には「ケア」思想が必要。

  • nbhd

    「語り手は聞き手の言葉で語らなければならない」。とにかく、この言葉に尽きる。なぜ、企業は「構造的無能化」してしまうのか。なぜ、みんなが全力で頑張っているのに上手くいかないのか。を解説した本。構造的無能化のロジックは、ま、そんなに突き詰めた論理ではなかったのだけど、著者の文体がメンタルを打ち響かせる。私の考えを「あなたの言葉」で伝えること、これって、哲学者ドゥルーズの、いつのまにやら批評対象の文体の中に入っていて、対象者の主張なのか、ドゥルーズ自身の主張なのか、わからなくなる「ドゥルーズ論法」に似てる。

  • タカナとダイアローグ

    あとがきで泣いた。失われた〇〇年(どのスコープでみるかで変わる)を取り戻すことも巻き返すこともできないとして。サッカーで例えると現状0-5で負けているような状態で、我々ができることは1点とりかえすか、「次のゲーム」にとって有効な策をチャレンジすること。 次の世代のために逆転しないと、って漠然と考えていたけど、次のゲームに士気が高い状態で臨めるようにすることが40半ば世代の役割かもしれない。 ドラッカー政治思想、位置・役割を個人に与えるため、企業の正統性を問う内容と受け取った。トップ経営層目線おおめ

  • はとむぎ

    構造的無能化。他者の目線に立てず、そのせいで対話できなくなり、全体を考えることができなくなることで、全体として無能になってしまうと。 だからこそ、ジョブローテーションって大事。 人は自分の価値観で人を理解しようとしがちだか 、なぜそう思うのか(価値観)も含めて、他者を理解しようとした上で行動しないと、改革はできない。

  • ほし

    企業変革が進まない現象を構造的なものとして捉え、それを脱する方法を考察する一冊。企業は効率化による環境適応をするなかで、断片化、不全化、表層化という副産物が生まれ、それらにより「わからない」「進まない」「変わらない」という問題が生じるとしています。それらを解消するためには表層的な問題への対処をするのではなく、対話などを通じて背後の複雑な問題を紐解く地道な取り組みが必要だとしています。「経営のファシリテーション」「組織をケアする」という視点の提案は新鮮ながら腑に落ちるところがあり、勉強になりました。

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