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社会的共通資本 岩波新書

宇沢弘文

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004306962
ISBN 10 : 4004306965
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2000
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ゆたかな経済生活、すぐれた文化の展開、人間的に魅力ある社会の安定的維持。これらを可能にする「社会的共通資本」とは何か。著者の思索の結晶。

【著者紹介】
宇沢弘文 : 1928年鳥取県に生まれる。1951年東京大学理学部数学科卒業。専攻は経済学。現在、日本学士院会員、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • なかしー

    現代のSDGsやESGにも絡んでくる考え方の立案者の一人。 豊かな国とは?から始まり、それを実現するには「社会的共通資本」を軸にした制度主義によって「理想的な」経済体制を構築する事を目的とする。 社会的共通資本とは?@土地、大気、海洋などの自然環境A上下水道、公共的な交通機関、電力通信などの社会的インフラB教育、医療、金融、司法、行政などを制度資本。管理・運営方法:それぞれの分野における職業的専門家によって、専門的知見にもとづき、職業的規律にしたがって行う。※政府による規定・基準やルール等に従わない

  • KAZOO

    何度目かの再読ですが、いつも経済学と現実の接点をどのような観点から見るかを教えてくれる本です。理論ばかりではなくこのような考え方もあるのだ、ということをいつも教えてくれていて、経済政策、金融政策、環境政策、産業政策に参考になるヒントなどがあります。

  • ひろき@巨人の肩

    Audiobookにて。経済学における新古典派と制度主義の比較から資本主義の理解が深まった。新古典派経済学は物理的な方法論から資本主義を捉えるため、近代工業による利潤追求が過大評価され、希少資本の枯渇や人間性・社会性の軽視といった現代社会の歪みを生む。その対策が制度主義。農業、都市、医療、教育、自然環境を社会的共通資本と定義し、近視眼的な個々人の利潤優先ではなく、持続的な全体社会の形成を念頭に、各々の共同体に最適な制度を構築すべきと論じる。理念に共感、でも実行が困難か。

  • saga

    第1章は社会的共通資本の総論。経済学の講義のようでとても難解。第2章以降は、農業・都市・教育・医療・金融・地球環境と、個別具体的な各論で、こちらは判りやすかった。農業基本法が、個別農家と一工業事業所とを同列に位置づけていることへの問題提起をしているが、まったくそのとおり。「輝ける都市」の人間を無視した都市構想の問題も然り。地球環境での炭素税の考え方を発展させて、国連単位で炭素量に応じた基金への拠出+森林面積に応じた基金からの交付金という制度があれば、発展途上国の森林保護の動機づけにならないだろうか?

  • Sam

    原理的に将来世代が参加できないことが市場主義の最大の欠陥だと思う。とすれば将来世代に引き継ぐべき「社会的共通資本」の重要性は絶対的なものであって、発行から20年が経過したいまも本書の価値は些かも変わらないはず。昔は宇沢先生は経済学に身を費やすことなく最初から「社会的共通資本」の構築に取り組んでいれば大きな成果に繋がったのではないかなどと思っていたが、経済学を極め市場主義が最も盛んな米国で過ごした経験があってはじめて「社会的共通資本」の考え方に至ったのであろうと考えを改めた。読み継がれ実践されるべき書物。

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