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認知症は病気ではない 文春新書

奥野修司

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784166614738
ISBN 10 : 4166614738
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2024
Japan

Content Description

政府推計によると、2025年には認知症者の数は約700万人となり、65歳以上の人の約20%が認知症だという。

いまの時代、認知症と宣告されることほど避けたいものはない。
それは「認知症になれば、何も分からなくなる」という思いこみがあるからだ。


長年、認知症当事者を多く取材してきた著者のノンフィクション作家、奥野修司氏は、そうした古い認知症観を捨てなくてはならないと説く。認知症の人も私たちと同じような感情を持っており、楽しければ笑い、傷つけられたら悲しむし、怒る。そして多くの当事者が、記憶が失われていくことにおびえている。

そもそも、すべての年齢層の約6割、80歳以上に限れば8〜9割を占める「アルツハイマー型認知症」は病気なのか?

老年精神医学の権威、東京大学名誉教授の松下正明氏は「正常加齢者とアルツハイマー型認知症者の脳に質的な差異はなく、加齢と連続した状態とみなしたほうがいい」という。

つまりアルツハイマー型認知症とは、一部の人だけが発症する「病気」ではなく、脳の老化現象なのだ。
老化は誰も避けられないし、記憶力や判断力、実行能力といった認知機能が低下していくのは自然なこと。
しかし、その心や人格まで失われることはない

そうした認識が多くの人に広がっていけば、認知症になってもつらい思いをしなくなるだろう。

大事なことは、家族や地域が力を合わせて支え、認知症になっても生きていける社会を作ること。

認知症の人を介護する家族を悩まるのは、暴言・暴行や徘徊(はいかい)、妄想といった「周辺症状」だ。
本書では、専門家の助言を得て、家族が接し方、考え方を変えたことで、周辺症状が改善した例を紹介する。

また、認知症対策の先進地域の事例を通じて、地域で認知症の当事者を支えている事例も紹介。

誰もが認知症になるのだから、みんなが当事者なのだ。



【著者紹介】
奥野修司 : 1948(昭和23)年、大阪府生れ。ノンフィクション作家。『ナツコ 沖縄密貿易の女王』で大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • あすなろ@no book, no life.

    認知症の親を持ち、身近にそれを見て世話している人ならこの本に深く頷くに違いない。時には涙しながら。何故ならどちらかというと介護する子の気持ちの奥襞を触り、時には逆撫でしてくるからである。この本が示している事は平易に言えば認知症の方の本音である。それを丁寧に当事者に取材をされて編んでいる。その言葉と解説に身を摘まされるのである。抉られる。好きで辛い言葉を掛けている訳ではない。当然仕方なくなのである。でも、それをこう捉えられ、我が母の周辺症状である作話が出て来ているのだと知らされる事程、辛いものはないのである

  • 田中峰和

    認知症が社会問題になるのは高度成長期1960年代以降。85年当時は痴呆性老人と呼ばれ、精神科病院などに隔離されるケースが多かった。認知症が病気として認められたのはその治療薬が登場してから。さらに医療化を決定づけたのは、2000年からスタートした介護保険制度。この制度の開始から4年後、痴呆症から認知症と呼び名も変更された。発症率は70代では10%台、80代になると4分の1程度、90代なら2分の1と加速する。長寿化によって、認知症は増え続け、介護保険制度の見直しも求められる。人生百年時代は謳歌できない。

  • skr-shower

    認知症が病気じゃないと睡眠コントロールの薬も出なくて困るのだろうな。認知症が進んでも、困るのは周囲の力仕事であって(トイレ入浴介助等)、本人は不安になるだけ。生活がスローダウン・ダウンサイジングなど上手くへんかさせられれば良いのだが、ここ30年の実家を省みても難しすぎる。作話・物盗られ妄想・徘徊・問題行動・etc.、一通り経験したけど自分もなるのだろうな…

  • レイトン

    アルツハイマー型の認知症は病気じゃないよ、加齢によって緩やな衰えとの連続的な症状で、90代になれば6割が該当。当たり前の老化としてありのままを自然に受け入れれば、記憶能力低下以外の周辺症状は和らいでいくはずとのこと。このような考え方が浸透したら、年を取ること、認知機能が衰えることに対する恐れは減じるが、当人も、身内も、ありのままを受け入れることの難しさよ。また、徘徊や暴言、物取られ妄想といった周辺症状が、周囲のせいだと責める風潮や、介護認定において公的サービスを受けにくくなるような変化はないようにしたい。

  • ぞろElwood

    ★★★★ 父が認知症で、読ませていただきましたが、目鱗で、おすすめします 誰しも年齢と共に避けられないものであり、父に優しく接したいと思います

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