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小説 真景累ヶ淵(仮)

奥山景布子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784576201511
ISBN 10 : 4576201514
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

一人の人間が堕ちてゆく死出の旅。圓朝の大作を濃厚に煮つめ、小説へと昇華した作品である。名作落語にあらたな命を吹き込む、シリーズ第1弾。

【著者紹介】
奥山景布子 : 愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。平安文学研究者、高校教諭、大学専任講師などを経て創作を始め、平成19年に、「平家蟹異聞」で第八十七回オール讀物新人賞を受賞し、デビュー。30年『葵の残葉』で第三十七回新田次郎文学賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ちょろこ

    巡り巡っての一冊。小説版「真景累ヶ淵」読みやすいのはもちろんじっくり時間をかけて味わえ面白かった。これはなんとも混み入った、重なり縺れあった輪廻応報、因果応報。七人までもとり殺す…遺された言葉、これは果たして有言実行なのか…恐怖と興味は尽きない。巡り巡って絡み合う縁、決して忘れはさせない執念が哀しみを交えながらじっとりと伝わってくる。人が人を好きになる瞬間はあれど、人が鬼になる瞬間もまたあることをしみじみ感じた。読後、巡り巡るかのような相関図を改めて見ると必然的な出会いや縁にしか思えずさらにゾッとくる。

  • buchipanda3

    圓朝の創作落語「真景累ヶ淵」を元にした時代小説。奥山さんは圓朝の生涯を描いた小説も手掛けていて、その組み合わせの妙もあって読んでみた。顔が酷く腫れてしまった女の恨みに取り憑かれた男の愛憎劇。読み進めるとどんどん人間関係が複雑に。この人はあの人の息子だったなど血縁と因縁がぐるぐると巡る。これが本作の肝となり、人間の業の深さが因縁に因縁を生み続けてしまうことに呆然と。そして嫉妬や呪いなど思い込みに容易に囚われてしまう人間の心の弱さも見せつけられた。そこが一番の怖さ。これは落語だとどんな感じなのか聴いてみたい。

  • タイ子

    噺家三遊亭円朝の創作噺を奥山さん流に小説化。以前、桂歌丸さんが演じていたので俗にいう三大怪談話のような噺かと思いきや、仇討ちという続きがあったことを初めてしりました。何せ、この噺は代々続く怨念噺なので誰が誰だったのか系図を見ながらの読書でした。好きな女性が顔に出来物ができて化け物顔になり男は殺してしまう。怪談噺のあるあるストーリー。「この後女房を持てば七人まではきっととり殺すからそう思え」この言葉が男を縛る。男の身勝手な欲望が次々女を手に掛ける。堕ちて行く男の末路は…。いやぁ、女の執念は怖い。けど面白い!

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    全てを失っても愛した男の不実を悟った時、女は呪った。「お前さんが惚れた女は七人までも祟り殺す」と。でも呪いの根源は、女の父親の死から始まっていたのだ。捨てた筈の因果と血縁が蛇のように絡みつき、無関係だったはずの人々からも奪い合い、咲かせた血花の救われなさ。余りの人間関係のややこしさに花車さん同様、「覚えきれない!」と言いたくなるが、最後に相関図もあるのでご安心を。解説によると、因果の始まりであった豊志賀の父、宗悦が惨殺される下り、因果の終わりである惣吉の仇討なども入れて随分、長かったそうな。

  • NAO

    【日本の夏は怪談 和】【月イチテーマ 時代物】『真景累ヶ淵』は、落語中興の祖といわれる三遊亭圓朝が最初に創作した咄。圓朝は芝居咄で人気を博していた。そのうち、彼の人気を妬んだ師匠の二代目圓生が、前の高座で圓朝がやる予定の咄を素咄でやってしまうという事態が続くようになり、二代目圓生が歌舞伎や浄瑠璃で演じられている「累物」を踏まえて創作した「累草子」の後日譚という位置づけの新作「累ヶ淵後日の怪談」を創作したという。血の繋がりが何ともややこしい、悪縁・因縁の話。

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