Product Details
ISBN 10 : 4087208648
Content Description
鎌倉新仏教は手紙のやりとりから生まれた!
〈本と日本史〉は各時代を代表する「本」のあり方から、当時の文化や社会の姿について考え、当時の世界観・価値観がどのように成立し、変化していったのかを考察する歴史シリーズである。
第三巻が扱うのは「中世の声と文字」。平安期に生まれた『源氏物語』などの日本を代表する中世文学は、ごく限られた貴族社会でのみ享受されたものだった。当時、大半の人間は無文字社会に生きており、文字を持たない民衆の間にも豊かな文化が芽生えていた。
本書では、そうした中世社会の文化を生み、そして伝えた「声」に注目する。そして、親鸞上人をはじめとする鎌倉仏教の始祖たちが、遠隔地の文字が読めない弟子に向けて語りかけるように書いた、情感溢れる手紙を読み解き、当時の知識人と民衆との関係を鮮やかに描き出す。また、琵琶法師の「語り」により広まった『平家物語』の分析を通し、中世文化誕生の背景に迫る。日本中世史学の大家による、画期的入門書。
■目次
まえがき―中世を体現する本
第一章 親鸞の著述
主著『教行信証』/和文の本と和讃/手紙による問答/信心を語る手紙/自然法爾の法語/教典としての消息集
第二章 中世の手紙
我が子を案ずる母の心/法然―念仏の信心を教える/日蓮―信仰者の信念を伝える/北条泰時―武家の自覚を説く/恵心尼―深く秘めた信仰体験を明かす/多様な文体と文字の工夫
第三章 世の移り行きを書く
仮名文字で書く歴史/合戦の?末/『愚管抄』が説く世の道理とその変化/保元・平治の物語/治承・寿永の乱/琵琶法師の語り
第四章 平家の物語
平朝臣清盛公のありさま/東国と西国/平家都落と木曾最期/源氏の追撃と一ノ谷・屋島の合戦/壇ノ浦の合戦と平家の滅亡/世界の総てを見た女院
あとがき―中世の声と文字
著者について
【著者略歴】
大隅和雄(おおすみ かずお)
1932年東京都生まれ。日本史学者。東京大学女子大学名誉教授。1964年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。網野善彦らとの共編著『大系 日本歴史と芸能』(平凡社・日本ビクター)で毎日出版文化賞特別賞を受賞。著書に『愚管抄を読む』『事典の語る日本の歴史』(講談社学術文庫)等がある。2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典・東京工業大学栄誉教授の実兄。
【著者紹介】
大隅和雄 : 1932年福岡県生まれ。日本史学者。東京女子大学名誉教授。1964年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。網野善彦との共編著『大系 日本歴史と芸能』(平凡社・日本ビクター)で毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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浅香山三郎
読了日:2017/12/16
うえ
読了日:2024/05/14
ikeikeikea
読了日:2017/01/25
飯田一史
読了日:2017/06/21
四不人
読了日:2017/04/22
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