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神都の証人

大門剛明

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065391594
ISBN 10 : 4065391598
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

◎第174回直木賞候補作◎
◎第16回山田風太郎賞受賞◎

この国に「正義」は、まだない。

冤罪で父を奪われた少女と、真実を求めた弁護士と検事。
それは人生を賭した誓い。必ず、真犯人を法廷に引きずり出す。

************************************
重厚なリーガルミステリーの中で、女と男たちの人生が息をしている。
作者の才能はタフだ。
――朝井まかて

見てきたように景色と人を思い出せる。
物語に押し倒されるというのは、きっとこういうことなんだろう。
――桜木紫乃

生きるということは、かくも哀しく美しいものか。
司法の闇、冤罪の虚構、人間の絆。作家の才能に嫉妬する。
――堀川惠子

時代を超えて受け継がれる法律家の矜持に心が震えた。
―五十嵐律人(作家・代表作『法廷遊戯』)

わたしはこれ以上のリーガルミステリを知らない。
―染井為人(作家/代表作『正体』)
************************************

少女は誓った。「真実」を知る者として、何人にも屈さぬと。
男たちは人生を賭して、約束を繋いだ。
昭和、平成、令和。弁護士として、検事として――。

【あらすじ】
昭和18年。戦時下、「神都」と称される伊勢で、弁護士の吾妻太一は苦悩していた。
官憲による人権侵害がはびこり、司法は死んだも同然。
弁護士は正業にあらずと、子どもたちにさえ蔑まれていた。
だが、一人の少女・波子との出会いが、吾妻の運命を変える。
彼女の父は、一家惨殺事件で死刑判決を受けた囚人だった。
「お父ちゃんを助けて」
波子の訴えを受け、吾妻は究極の手段に打って出る。
無罪の証拠を得るため、自らも犯罪者として裁かれる覚悟をして――。
だがそれは、長い戦いの始まりに過ぎなかった。

【著者紹介】
大門剛明 : 1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒。2009年『ディオニス死すべし』(刊行時『雪冤』に改題)で第29回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • イアン

    ★★★★★★★★★☆山田風太郎賞を受賞した大門剛明の長編。昭和18年に伊勢市内で一家3人が惨殺され、一人の男が逮捕される。偶然保護した女児が死刑囚の娘だと知った弁護士の吾妻は、男の冤罪を確信し再審請求を決意するが――。デビュー以来、冤罪を描き続けてきた著者の集大成ともいえる本作。戦中から令和へ、実に3世代に及ぶ「日本の司法制度」との闘いは、期待と失望の繰り返しでもあった。「法的安定性」を盾に、一人の無辜を「人柱」とすることは許されるのか。語りかけるような三重弁がより一層その理不尽さを読者に突き付けている。

  • いつでも母さん

    慟哭の「冤罪」大河ミステリーとある。いやはや大門さんに拍手の読書だった。戦前から令和、伊勢山田で起きた殺人事件の犯人として逮捕された一人の死刑囚・谷口喜介と残された娘・波子の人生に関わる弁護士家族や検事たち。冤罪事件を巡り奔走する歳月、突然の死刑執行の驚愕、時代背景や地域社会が絡み再審請求の難しさを感じた。重たい思考を引きずりつつラストの真相には言葉もない。「何故だ!」早くに明らかにされていればと悔しく、あの彼もまた人の子かと憤りと遣る瀬無さが天秤に。今更ながら波子の90年を超える人生に思いを馳せたい。

  • ちょろこ

    冤罪ミステリの一冊。お父ちゃんを助けて…幼い少女の声を掬い無実の命を救うために、昭和18年に起きた一家三人殺害事件の冤罪をはらすミステリは心打たれる良作。戦中から令和まで壮大な時を経て冤罪との闘いが引き継がれていく様はまさに無念の襷リレー。阻む壁、届かない声、なぜこんな目にの連続に何度も悔しさを噛み締める傍ら、第二部といい人が人の心を動かす姿に涙が滲む。力なきものを支配する社会、他人事ではなく考えて欲しい思いも強く心揺さぶり続ける。正義を求めて渡されゆく想い。その行く末に最後まで目が離せない描き方も秀逸。

  • しんたろー

    戦時中に起きた一家三人殺人事件で、死刑判決を受けた男は無罪だったのか?…男の娘を中心に、冤罪を晴らそうとする人の姿を何代にも渡って描いた社会派大河小説。時代の移り変わりに、昭和オジサンとしては感慨深いものがあり、その時々の風潮風俗が目に浮かんだ。警察&検察の理屈は理解できても、感情としては納得できないし、人権の大切さを様々な形で考える機会になった。何度もある引っ繰り返しがミステリとして効果的で、500ページ近いのに全く飽きること無く楽しめた。大門さんは久しぶりだったが、筆力の高さを改めて知らされた力作👍

  • タイ子

    ただ圧巻、感動、そして考えさせられる物語。冤罪事件、その誰もが無実を叫びながら牢獄で果てしない時を生きる。この作品は昭和18年に起こったある村での一家3人殺人事件。読者は知っている、決してその男は犯人ではないと。冤罪を晴らすため立ち上がる弁護士たち。果てない時間と労力を使っても国は動かない。それでも諦めない者たち。代は代わっても継がれる想い、昭和から令和に。章ごとに主たる人物の焦点が変わるので飽きないのがいい。長い年月の果て辿り着いた真相に驚愕。冤罪なら真犯人は誰?!辿ってきた長い道程が歪んで見えた。

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