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ISBN 10 : 4305709112
Content Description
アララギの「写生」を信奉した佐太郎。だが、彼のまなざしはその範疇を超えて存在が消え去ることで現れる「不在なるもの」を見つめてやまない。
目次 : 鴨のなく夕濠端に腰かけて足の繃帯を捲きなほしをり/ つとめ終へ帰りし部屋に火をいれてほこりの焼くるにほひ寂しも/ 昼ごろより時の感じ既に無くなりて樹立のなかに歩みをとどむ/ 暮方にわが歩み来しかたはらは押し合ひざまに蓮しげりたり/ とろとろに摩られし豆がつづけざまに石臼より白くしたたりにけり/ 舗道には何も通らぬひとときが折々ありぬ硝子戸のそと/ 薄明のわが意識にてきこえくる青杉を焚く音とおもひき/ 朝のまの時雨は晴れてしづかなる光となりぬ街路樹のうへ/ 公孫樹の下を来ぬれば鱗形に砂かたよせし昨夜のかぜ/ はなやかに轟くごとき夕焼はしばらくすれば遠くなりたい〔ほか〕
【著者紹介】
大辻隆弘 : 歌人。昭和35年三重県生。龍谷大学大学院文学研究科(哲学)修了。昭和61年未来短歌会入会、岡井隆氏に師事、現在選者。歌集『水廊』『抱擁韻』(現代歌人集会賞)『デプス』(寺山修司短歌賞)『汀暮抄』『景徳鎮』(斎藤茂吉短歌文学賞)等、歌書『子規への溯行』『岡井隆と初期未来』『アララギの脊梁』(島木赤彦文学賞・日本歌人クラブ評論賞)『近代短歌の範型』(佐藤佐太郎短歌賞)等。現代歌人集会理事。現代歌人協会・日本文藝家協会会員。県立高校教諭。元皇学館大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ハルト
読了日:2020/09/29
糸くず
読了日:2023/08/12
shrzr
読了日:2021/11/03
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