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中国の死神

大谷亨

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784787220998
ISBN 10 : 4787220993
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2023
Japan

Content Description

中国の死神である「無常」は、中国ではよく知られた民間信仰の鬼神である。フィールドワークに基づきながら、無常の歴史的な変遷を緻密にたどり、妖怪から神へと上り詰めたそのプロセスや背景にある民間信仰の原理を明らかにする中国妖怪学の書。

目次 : まえがき なぜ無常なのか/ 序論 謎多き無常/ 第1章 無常を採集する/ 第2章 無常を観察する/ 第3章 無常を考察する/ 結論 つまるところ無常とは/ あとがき―再び、なぜ無常なのか

【著者紹介】
大谷亨 : 1989年、北海道生まれ。中央大学文学部卒業後、東北大学大学院国際文化研究科に進学。同大学院在学中に、廈門大学人文学院に高級進修生として留学。2022年、東北大学大学院国際文化研究科で博士号(学術)を取得。現在、東北大学大学院国際文化研究科フェロー、無常党副書記。専攻は中国民俗学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • あたびー

    すごいインパクトのヴィジュアルをした表紙の彼は、「無常」という中国の死神。死んだ人の魂を捕まえて冥界に連れていく役目をしているそうです。筆者はこの日本ではあまり知られていない神様にゾッコン惚れ込んで中国各地の廟を歩き回り土地の人からも話を聞きながら、無常の成り立ちや白と黒ふたつの無常が生まれた経緯などを論文にしました。それが本書です。丁度併読していた「点石斎画報」の抜粋「中国妖怪鬼神図譜」にもチラホラ現れる白無常と黒無常の存在に一気に惹き付けられました。でも日本の中国寺院や廟で見た覚えがない😅

  • サアベドラ

    中国南部や華人コミュニティで信仰されている「無常」という名の死を司る鬼神について、その特異な出で立ち (書影参照) や起源をフィールドワークや文献資料などから探るノンフィクション。2023年刊。著者の専門は中国民俗学 (本書はおそらく学位論文を元にしている)。本書の絵解きが無常をめぐる謎を十分に説明しきれているとは証拠不十分につきあまり思えなかったが、著者が足で集めてきた豊富な写真や図版資料のおかげで読んでいて飽きない。各地に祀られた無常像に漂うなんとも言えぬB級感は東南アジアの地獄寺を彷彿とさせる。

  • りー

    著者が言う「中国の死神」とは、清代に成立したとおぼしき、死者の魂を冥界へ導く2人組の神「白無情」&「黒無情」である。白はノッポで長い舌を出し、黒はチビで顔だけの地域もある、という魅力的な造型にビビッときた著者が🤤ヨダレをたらさんばかりに中国各地をフィールドワークして纏めたのがこの本。無情への愛が溢れる文章と臨場感溢れる写真に、読んでいてワクワクした。共産党の「浄化」の手を逃れ、よくぞ生き残っていてくれたと言うべき本来の中国の面白さよ。立体地獄の写真が特に良かった!残っていってほしいなぁ〜。

  • さとうしん

    出だしの軽さとは裏腹に、中身は無常のイメージと伝承の地域的、時代的変遷、そして鬼から神への変化を追った本格的な中国民俗論というか中国妖怪論となっている。結論的にはその変遷の過程は、本書の言葉を借りればベン図的な複雑なものになるようだ。間に挿入されている「無常珍道中」は調査旅行の実際とコロナ前の中国の状況を伝えてくれる。台湾の妖怪論はぼちぼち出てきているが、大陸の妖怪論も今後の充実に期待したい。

  • tom

    書名と表紙の写真に興味を惹かれて図書館に注文。子どものころ中国で暮らし、そこで見た「無常」にインプリンティングされて、中国学に熱中することになった男が書いた本。「無常」には黒白あり、いわゆるバケモノの類。中国(漢民族)では、人は死ぬとみんな地獄(鬼界)に行く。人の霊魂を引っ張ってくるのが「無常」の仕事。この霊魂の中には悪いことをする奴もいる。これを鎮圧するのも「無常」の仕事。この「無常」が中国史の中でどんなふうに形成されたかを解き明かすのが著者の目的。見えない中国がここにあるのかと驚きながら読む。

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