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屍の街・夕凪の街と人と 岩波文庫

大田洋子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003123713
ISBN 10 : 4003123719
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan

Content Description

「いつかは書かなくてはならないね。これを見た作家の責任だもの」広島で被爆した大田洋子(1903-63)は、その体験をもとに原爆を告発する作品を多数著した。人や街が屍と化した原爆投下直後の惨状を記した『屍の街』、原爆に人生を壊され戦後八年を経てなお苦しむ人々を描いた『夕凪の街と人と』を収める。解説=江刺昭子

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Shun

    戦後80年のこの夏に新たに岩波文庫に加わった大田洋子による原爆小説。戦後の言論統制や文壇のジェンダーの偏りといった社会環境のおかげで長い期間に渡り正当な評価を受けることができなかったという不遇の作家。原爆投下時には広島で暮らしおり、投下直後のその惨禍を直接目にした著者は筆舌に尽くしがたい原爆が与えた残虐的な光景に対し、作家としての使命であるかのように目を背けずありのまま見たことを筆に起こす。人々がその身に受けた凄惨な被害についての記述は酸鼻を極める内容だが、これが現実なのだ。決して埋もれさせてはならない。

  • ケイトKATE

    〈『夕凪の街と人と』の感想〉原子爆弾投下から8年が経過した広島の街と暮らしている人々の様子を描いている。焼け野原となりながらも、広島の街は復興しているように見えるが、未だに広島の人々には、被爆の後遺症や生活の苦しさなど傷が大きく残っていた。後半に登場する被爆した人を医師が診断する場面は、読んでいて辛いものがあった。戦後80年を迎えた2025年、大田洋子の作品を読んで、原子爆弾によって起こされた想像を絶する破壊を二度と起こしてはならないと確信した。

  • ケイトKATE

    〈『屍の街』の感想〉終戦から80年、この岩波文庫で大田洋子を初めて知った。『屍の街』は、広島に原爆投下された直後に執筆されたこともあって、被爆した広島の街や被爆した人々の証言は生々しく臨場感がある。特に、原子爆弾が落ちた直後に発した光が青いと表現されているが、私が知る限り他の本や映像作品では見なかった表現であり、被爆の記憶が鮮明に残っているからこそ得ることができた証言ではないだろうか。『屍の街』は、被爆した広島の惨状を記そうとする大田洋子の使命感が伝わってくる。

  • 馬咲

    いずれもルポの性格が強い小説。『屍の街』は爆心地から二キロ圏内で被爆した著者の生々しい体験記で、終戦直後の科学者の見解や報道の様子も記録している。しかし、焼夷弾によるものとは異なる建造物の破壊と異様な火傷を負った人々への困惑や、軽症だったはずの人々の命を次々奪う原爆症の恐怖をいち早く綴った本作は、占領下の検閲に阻まれて公表が遅れた。被爆者であることを隠す人も多かった時代に果敢に未曾有の戦争被害を表現すべく苦悩した著者は、原爆を語るに足る言葉を文学が持たぬことを問題提起した先駆者として記憶されるべきだろう。

  • minoru

    小説ではあるがジャーナリズムの要素も強い印象。論文を挿入しており記録する意思が強い。被爆の様子は、小説冒頭からではなかった。東京から疎開した故郷の広島で被爆。母と妹とともに白島(はこじま)で被爆した直後からその後、秋ぐらいまでの記述が続く。“作家の眼”で状況は語られる。そして筆致からは怒りが感じられる。投下直後の不思議な静けさは夏ということもあってより悲惨だと感じられる。「云わば地球の自壊作用が戦争に姿を変えたのかも知れない」との記述が衝撃的だった。80年は経つが戦争の脅威は現在もなお続いてしまっている。

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