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「修養」の日本近代 自分磨きの150年をたどる Nhkブックス

大澤絢子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784140912744
ISBN 10 : 414091274X
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2022
Japan

Content Description

明治からみんな「意識高い系」だった。明治大正期に「帝大出」のようなエリートでなかった人々、昭和期にサラリーマンとして会社で研修に励んだ人々、ビジネス書や自己啓発の消費者となった若い人々―。彼らが拠りどころにしたのは、あくなき向上への意欲だった。本書は、「教養」として語られがちな自己成長のための営為が実は明治初頭から宗教の力を借りて社会に広く行きわたり、近代日本の社会を根底で支える水脈となっていたことを示す。時代ごとの大衆文化の豊かさ、切なさ、危うさに触れながら“日本資本主義の精神”の展開史を描き出す気鋭の力作!

目次 : 序章 「自分磨き」の志向/ 第1章 語られた修養―伝統宗教と“宗教っぽい”もの/ 第2章 Self‐Helpの波紋―立身出世と成功の夢/ 第3章 働く青年と処世術―新渡戸稲造と『実業之日本』/ 第4章 「経営の神様」と宗教―松下幸之助の実践/ 第5章 修養する企業集団―ダスキンの向上心/ 終章 修養の系譜と近代日本―集団のなかで自分を磨く

【著者紹介】
大澤絢子 : 1986年、茨城県生まれ。茨城県立日立北高等学校卒業、お茶の水女子大学文教育学部卒業、東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻博士課程修了。博士(学術)。龍谷大学世界仏教文化研究センター、大谷大学真宗総合研究所博士研究員などを経て、日本学術振興会特別研究員(PD)・東北大学大学院国際文化研究科特別研究員。専門は宗教学、社会学、仏教文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    修養、教養、修身、自己啓発…微妙にニュアンスが違う。本書は、明治以降の「修養」の取組みが3人の代表的な人物に焦点を当てて記述されている。エリートへの教養教育とともにノン・エリートに対する修養に力を注いだ新渡戸稲造、会社という集団の中で修養する体制を作った松下幸之助、宗教的な要素を取り入れた企業集団としたダスキンの鈴木清一。本来は純粋な人格形成のための修養が、功名や立身出世の手段となり、それが企業によって操縦されてきた歴史がある。今、教養主義が没落し、自己啓発という手段だけが残渣となっている寂しさを感じる。

  • くらすけ

    歴史を知り、自己啓発を客観視すること=健全な野心につながると考えていて、手に取った。松下幸之助やダスキンの創業者などの名を知られた日本のビジネスマンも宗教っぽいものの影響を受けてると知れた。新渡戸稲造が意外にも庶民向けの雑誌に寄稿してるのも知らなかった。そうした意外な事実のディテールが知れるだけでも読んでて良かった、楽しかったと思えた本でした。

  • 軍縮地球市民shinshin

    この本は、「紀伊國屋じんぶん大賞2023 読者と選ぶ人文書ベスト30 第8位」を獲得したらしい。しかしこういってはなんだがそこまで出来が良い本とは思えなかった。修養とは明治初期にサミュエル・スマイルズ❝Self-Help❞を中村正直が『西国立志編』として翻訳したときに創出した言葉で、個人の努力によって人格を高める自己教育のことを指すのだという。修養は社会人の自己練磨として明治・大正・昭和初期に一大ブームと化したが、戦時下では個人の修養が戦争遂行の一助になってしまったという。戦後は松下電器の松下幸之助やダス

  • はとむぎ

    流し読み。修養は、娯楽でもあり実学でもある。だから、自己啓発書って面白い。盲目にならないで、他人に押し付けなければ良いものかな。

  • Hiroo Shimoda

    なかなか面白い。自己啓発と宗教の関係は考えさせられる。本書で語られる松下幸之助は勿論だが、稲盛和夫もそういうところがあるし、今の日本のビジネスパーソンのスキルに欠けるのはそういう規範なのかもしれない

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