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ローマ帝国とアフリカ カルタゴ滅亡からイスラーム台頭までの800年史 中公新書

大清水裕

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121028716
ISBN 10 : 4121028716
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「辺境」だった北アフリカは、本国ローマをどう変えたのか。地中海を挟んだ対岸から見た、まったく新しいローマ帝国像。

【著者紹介】
大清水裕 : 1979年(昭和54年)、岩手県に生まれる。東京大学文学部卒業後、同大学大学院に進み、人文社会系研究科博士課程を修了。博士(文学)。滋賀大学教育学部教授などを経て、東洋大学文学部教授。専門分野は古代ローマ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    チュニジアを訪れた際、カルタゴ遺跡で「ここからハンニバルが出発したのか」と感じ入った。しかしローマ帝国史においてアフリカは単に穀倉扱いされており、カルタゴとポエニ戦争以外はほとんど知られていない。実際は各地にローマ遺跡が残り、多くのローマ人が入植し新しい故郷とした大帝国の一部であった痕跡を伝える。実際アフリカ系皇帝も輩出され、キリスト教とラテン語も広まっていた。イスラーム支配が拡大しなければ、地中海全域がヨーロッパと称される未来もあり得た。ローマがアフリカを征服し失ったのは、歴史を変える重大事だったのだ。

  • よっち

    新興国ローマと争い敗れて滅亡したカルタゴ。アフリカは属州とされたが、辺境は本国をどう変えたのか。地中海を挟む対岸から見た新しいローマ帝国像を示す1冊。カルタゴ滅亡からイスラムが侵入するまでのアフリカ属州が、単なる支配対象ではなく穀倉地帯として経済的に重要な役割を果たし、政治的にも元老院議員や皇帝を輩出するまでになった点を解説していて、皇帝となったセプティミウス・セウェルスが属州出身者がローマの中心に進出していく過程など、ローマ帝国の歴史を中心からではなく周縁から浮き彫りにしていてなかなか興味深かったです。

  • ようはん

    カルタゴ滅亡からイスラム勢力の進出までの北アフリカ(エジプトは除く)の古代ローマ帝国の歴史。今のチュニジアは土壌が衰えてしまったようだが、当時の北アフリカは肥沃な土壌で古代ローマ随一の穀倉地帯として食糧を支えていた重要な場所で3世紀にセプティミウス・セウェルス帝等の皇帝を輩出するまでに至る。逆に言えば西ローマ帝国の滅亡もイタリア本土との対立もあり反乱の頻発や穀物輸出のストップも遠因といえる。

  • さとうしん

    テーマ的に何となく中央政権ではなく南方・北方目線で中国史を見るというのと通じるものがあるように感じた。「アフリカ」という呼称がもともとチュニジアの一部族の名称に由来し、ローマの支配が拡大するにつれてアフリカの示す範囲が広がっていったというのも、「中国」呼称や「漢人」呼称と通じるものがあるだろう。セプティミウス・セウェルスらアフリカ出身者がローマ皇帝となり、アフリカの人々も彼らなりに「ローマ人」意識を持つようになるというのも中国王朝史と重なるように思われる。

  • ピオリーヌ

    中公新書2024年の刊。著者は単著『ディオクレティアヌス時代のローマ帝国」で知られる研究者。アフリカはカルタゴ滅亡後属州とされたが、穀倉地帯として経済的繁栄を遂げ、政治的影響力を高めて元老院議員を輩出した。そして二世紀末にはアフリカ出身初の皇帝であるセプティミウス・セウェルスが登場する。セウェルスはレプティス・マグナ出身であるが、193年の内戦で彼と帝位を争ったクロディウス・アルビヌスもアフリカ属州出身であり、ハドルメトゥム、現在のチュニジア中部の港町スースで生まれている。この本

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