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「14歳」少女の構造 大塚英志まんが評論選集80’s-90’s ちくま文庫

大塚英志

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480438997
ISBN 10 : 4480438998
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2023
Japan

Content Description

ニューアカとバブルの80年代、そしてコンピュータゲームの時代だった90年代初頭。あらゆるものが記号と化し、消費されていく社会に抗うように、まんがは「身体」と「内面」の表現を花開かせた。消費されるためのまんがをつくる現場で書かれた同時代的評論に、まんがが真に有害だった時代を描く書き下ろし補論「三島由紀夫の「首」と「1970年」の蜂起する少年まんが」を加えた傑作評論選。

目次 : 第1章 物語と構造(言葉の位相―少女まんがにおける“固有の論理”について/ 内面の発見と喪失―少女まんがにおける「ことば」の変容/ “学バン狩り”のフォークロア―紡木たく「これからもずっと」 ほか)/ 第2章 成熟とジェンダー(“14歳少女”の構造/ “産む性”としての少年―“性差の少女まんが史”のために/ “少女殺し”という主題―大島弓子『いちご物語』をめぐって ほか)/ 第3章 性表現と身体(記号的身体の呪縛―手塚治虫「まんが記号説」批判/ 手塚治虫は「有害」だった/ 美少女症候群―不在の“強姦者” ほか)/ 補論 三島由紀夫の「首」と「1970年」の蜂起する少年まんが

【著者紹介】
大塚英志 : 1958年生まれ。まんが原作者、批評家。神戸芸術工科大学教授、東京大学大学院情報学環特任教授、国際日本文化研究センター教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • hanchyan@発想は間違ってない

    私淑する大塚英志さん。あとがきで「エッセー」と言ってますがもちろん韜晦でしょう。普通はこんなに理屈ぽいエッセーなんて無いぞ(笑) さて。先ずは、民俗学や文化人類学の手法でもってエンタメ作品およびその周辺に出来する現象の構造を解析するていう批評ていう芸風は、なんつってもやっぱ面白い。大島弓子や萩尾望都ら「24年組」の課題や仕事を明示した後、田渕由美子らの続く世代の作家が『乙女ちっく』路線で構築した世界を明晰に言語化する語り口はマジ京極堂か!て感じだぞ(個人的には暗黒神話のクライマックスみたいな読み味でした)

  • 阿部義彦

    ちくま文庫先月の新刊、やっと読めました。サブカルをリードした、批評家、漫画原作者(三流劇画ムーブメントを担った漫画ブリッコ編集長、著名な原作マンガは「多重人格探偵サイコ」等)の大塚英志さんが80〜90年に発表した評論の寄せ集めです。少年漫画とは違う語りの水準を持つ少女漫画の複雑性故に大きく羽ばたいた24年組(特に大島弓子には、各漫画まで細かく触れられています。勿論ジェンダー論としても秀逸)、変態少女文字論、紡木たく、乙女ちっく、梶原一騎、楳図かずお、手塚治虫、吾妻ひでお、山本直樹、サブカル好きは必読!

  • 九曜紋

    大塚英志を初めて知ったのは1989年の「少女民俗学」。本作では80年代から90年代のまんが評論を編集。元民俗学の徒であった大塚の筆致は明解で鋭いが、漫画家たちがどこまで自覚的であったのかはやや疑問。大塚が無理やり民俗学のナラティブに回収しようとしている可能性もある。私の認識では大塚はサブカル論壇の人間だったのだが、佐々木敦は福田和也、宮台真司とともに遅れてきたニューアカにカテゴライズする。「漫画」が「まんが」となり、サブカルチャーからメインカルチャーになったように、大塚自身もメジャーになったということか。

  • キュー

    学が無い人間なので評論とかいうととにかく事象をいろんな事にこじつけて語ってるな〜という印象になってしまう。大塚英志さんもよく民俗学なんかになぞらえて語ってるんだけど、やっぱりそういう一定のパターンっていうのはあって無意識にせよ物語というのは大昔からそういう物なんだなぁと納得してしまう。民俗学に興味は出てきているものの柳田國男なんかの著作の引用で旧仮名遣いなのを見る度に上手く読めなくてげんなりして二の足を踏んでしまうんだよなぁ。まぁ厚くて読み応えありました。

  • YOK_1111

    1972年を境に社会のダイナミクスは、革命と反革命から、資本と大衆へと変化したのでは。その大衆のバイブルとも言えるコミックを、著者は民俗学的な視点を用いつつ、意味づけた。同時代評論は、その時代に敏感でなければ書けず、歴史的な大局観がなければ残らない。本書は、論じられた数々のコミックよりも長く、現代史に影響を与えているように思われる。70年代の香りを思い出し、懐かしかった。

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