Books

本当はひどかった昔の日本 古典文学で知るしたたかな日本人 新潮文庫

大塚ひかり

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101205168
ISBN 10 : 4101205167
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2016
Japan

Content Description

昔の日本では、子供は健やかに育てられ、家族は愛に満ちていた…なんて大嘘。『古事記』や『枕草子』『源氏物語』『宇治拾遺物語』などをひもとけば、育児放棄や児童人身売買、マタハラに介護地獄、ストーカー殺人から動物虐待まで、現代に負けない残虐悲惨な話だらけ!しかし、それでも逞しくて人間味あふれる日本人の姿を、日本文学の古典から読み解く「文芸ワイドショー」。

目次 : 捨て子、育児放棄満載の社会―昔もあった大阪二児餓死事件/ 昔もあった電車内ベビーカー的論争―「夜泣きがうるさい」と子を捨てるようシングルマザーに迫る村人たち/ 虐待天国江戸時代―伝統的「貧困ビジネス」の実態/ 本当はもろかった昔の「家族」―虐待の連鎖も描かれていた『東海道四谷怪談』/ マタハラと呼ぶにはあまりに残酷な「妊婦いじめ」/ 毒親だらけの近松もの/ 昔もあった介護地獄―舌切り雀の真実/ 昔もあったブラック企業―リアル奴隷の悲惨な日々/ 昔もいた?角田美代子―家族同士の殺戮という究極の残酷/ いにしえのストーカー殺人に学ぶ傾向と対策〔ほか〕

【著者紹介】
大塚ひかり : 1961(昭和36)年横浜市生れ。古典エッセイスト。早稲田大学第一文学部日本史学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
表紙の飯野和好さんのほのぼのとしたイラス...

投稿日:2021/02/26 (金)

表紙の飯野和好さんのほのぼのとしたイラスト、そして昔の日本がどれだけひどいのかという、ちょっとした好奇心から読んでみました。 それが、まぁ、ひどい。ドイヒーのなかのドイヒーです。あまりに心を抉ってくるので、一日にたった一章ずつしか読めませんでした。小さい頃から聞いてきた昔ばなしに対するイメージは一変し、いつか読もうと思っていた源氏物語に関しては、「やっぱ読まなくてもいいかな・・・」と思う始末でした。 よく、落ち込んでいるときに、極端に悲惨な物事と比べて「それよりはマシだから」と言って励ましてくる人っていません?僕は何度か経験があって、そう励まされるたびに、「うるせぇよ!こっちだって十分大変だよ!」と思いながら一応はお礼を言っているタイプなんですが、もしこの本を手渡されたら、自分の悩みがいかに小さく、そもそも現代に生まれただけで幸せだったのだと、心から感謝してしまうことでしょう。 本書では昔の日本のひどい点をあげるだけではなく、現在の日本の問題とも比較したうえで、問題を解決するためにはどうしたらいいかというところまで踏み込んで書かれています。願わくばこの本が、現代で悩む人たちの気持ちを少しでも上向きにしてくれますように。

たく さん | 不明 | 不明

0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

    「昔は良かった」ととかく人は思いがち。みんなが助け合って人情に溢れて…なんて思えるような時代物は好きだけど、目を背けたくなるような事例を古典から紐解いて、「悪事に関しては、現代人が思いつくていどのことは、とうの昔に誰かがやっている」と伝えるこういう視点も、現代を肯定する上で確かに必要かも。著者の古典の造詣の深さには驚きだが、気取らないエッセイタッチな文章が大変読みやすく、古典を読んでみたい気持ちにさせてくれる。 でも、悲惨すぎる事例に心が鬱々…。当分幸せな話を読みたい。

  • 扉のこちら側

    2016年816冊め。昔は子殺しや姥捨て、人身売買が当たり前にあり、離婚率も江戸時代のほうが高かったらしい。「昔はよかった」の幻想を打ち砕くというものではなく、「肩の力を抜いて今を生きるため」に書かれたというのには同意。しかし陰惨な事件が多すぎて気鬱になる。

  • ももっち

    少年の凶悪犯罪や乳幼児虐待、ブラック企業、介護、マタハラと、社会問題となる度に引き合いに出される過去に、古典を読み漁った筆者が物申す本書。軽い気持ちで読んだが、古典に何気なく描かれる事件や風習、思考などから、引いてしまうような記録の数々を提示され、あまりの凄まじさに衝撃を受ける。筆者曰く「現代人が思いつくていどのことは、とうの昔に誰かがやっている」という悪事。でも、時代のせいにするのは間違っているとは言え、古典の世界の環境とは、明らかに改善している現在で、同じことが繰り返されることが問題なのではないか?

  • エドワード

    先日「無私の日本人」に感動したものだが、美談あれば醜聞あり、昔は日本もひどかった話を読みませう。捨子・虐待・マタハラまかり通り「今も昔も、子供の命が尊いという意識がなく、徹底的に利益第一」、毒親やブラック企業は現代真っ青の悪辣ぶり、平安時代の心の病や江戸時代の自殺のオンパレードは厄介な<世間体>故というのもうなずける。「古典や史料を読んで痛感するのは、特に悪事に関しては、現代人が思いつく程度のことは、とうの昔に誰かがやっている。」という一文が真実すぎて苦笑い。ああ、やっぱり今が一番と思えるのも古典の効用。

  • ロア

    表紙絵怖すぎ!普段はブックカバー付けないけど、この本には即装着。私が読んだ「昔は良かったって言うけどそうでもないよ」系の本の中では異色のエグさ。本当は怖いグリム童話〜なんて言ってる場合じゃないくらい。心根の優しい人は絶対読んじゃダメ!通常は、昔といっても数十年遡る程度だけど、この本では古事記も文献の範疇というスケール感。参照されるのは主に古典文学。流石の私も妊婦虐待の章ではその残酷さに絶句でしたが、その他は想定内というか…まあ、酷い話ばかり。でも、日本人の本性の根底には今も変わらずあるのでは…とも思う。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items