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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

大前粟生

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309028743
ISBN 10 : 4309028748
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

“男らしさ”“女らしさ”のノリが苦手な大学2年生の七森。こわがらせず、侵害せず、誰かと繋がりたいのに。ジェンダー文学の新星!鋭敏な感性光る小説4篇。ぬいぐるみと話すサークル“ぬいサー”の、生きにくく、どうしても鈍くはなれない若者たちの物語。

【著者紹介】
大前粟生 : 1992年兵庫県生まれ。2016年、「彼女をバスタブにいれて燃やす」が「GRANTA JAPAN with 早稲田文学」公募プロジェクト最優秀作に選出され小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • こーた

    当方、ぬいぐるみが大好きである。いい歳をしたおっさんが、などと恥ずかしくおもうこともあるが、その恥ずかしいという感覚そのものが、ひょっとすると世界を歪め、人知れず誰かを傷つけているかもしれない、などとおもったりもする。男の子のくせに。ある日の帰り道、ぬいぐるみショップではしゃぐ男の子を目にして、瞬間、そんな考えがよぎった自分を、ひどくおぞましいとかんじた経験がある。やさしいだけでは世界を救えないかもしれないし、ましてや誰も傷つけずに生きていくことなどできない。それでも、ぼくはやさしくありたいとおもうし、⇒

  • absinthe

    ギャグで書いてるのか?と一時疑ったぐらい極端に、繊細過ぎる人々を描いた短編集。これは繊細過ぎて、どやし付けたくなるがそんなことをしたらどこかへ吹っ飛んでしまいそうだ。傷つけることを嫌い、付き合いを避け、人でないものに話しかける。村田沙耶香さんみたいな作品でもある。気に入ったのは『たのしいことに水と気づく』と『だいじょうぶのあいさつ』。『たのしい…』は、ラストがほんのりあたたかく、『だいじょうぶ…』は絶壁の上に立つ家に住む微妙な家族の話。

  • sayuri

    「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」「たのしいことに水と気づく」「バスタオルの映像」「だいじょうぶのあいさつ」4話収録の短編集。恋愛を楽しんでみたい、誰かと繋がっていたい、だけどその前に立ちはだかる『男らしさ』『女らしさ』の壁。自分が発する言葉で誰かを傷つけてしまうんじゃないかという不安。SNSに溢れるたくさんの誹謗中傷に心が壊れそうになる日々。生き辛さを抱えて、一日一日をしんどく過ごす登場人物達に共感し、読みながら胸が締め付けられる。目にしたくない物にフィルターが掛かって見えにくい世界になれば良いのに。

  • やっさん

    ★★★☆ 繊細で傷つきやすい人は「メンタル弱いダメなやつ」と括られがちだけど、それを自覚して落とし所を決めているなら立派な長所になりえると思う。繊細な人にしか気付けないものは多い。優しさは武器にも防具にもなる。

  • ネギっ子gen

    【やさしいから、人より多く傷ついてしまう】直近で読んだ『おもろい以外いらんねん』が凄く面白かったので、期待値高めの状態で著者2冊目に――。わお、強烈なインパクトだった! 封印していた、わたしの遠い過去の自意識が、過剰すぎた故に観念放逸状態から時空の歪みを通過し、本書に現出したものか。頭の中が剽窃された!って感じ。表題作含め小説4篇を収録。「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」は、大学のぬいぐるみサークルを舞台に、七森、麦戸、白城らの優しさと葛藤が描かれる。脳内BGMは、京都なのに、鴨川でなくて『神田川』。⇒

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