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「民族浄化」を裁く 旧ユ-ゴ戦犯法廷の現場から

多谷千香子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004309734
ISBN 10 : 4004309735
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2005
Japan

Content Description

ユーゴ内戦で引き起こされた戦争犯罪を裁く国際法廷では、どんな事実が明るみになったのか。判事として審理を担った著者が、自らの経験をもとに、「民族浄化」の真相に迫り、和解と平和建設の条件について考える。

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Book Meter Reviews

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  • 寝落ち6段

    旧ユーゴスラビアの紛争の中、過激的なセルビア人によるモスリム人他に対する民族浄化という虐殺を国際司法の立場で顧みた本書。どれだけ酸鼻を極めたかは、読んでもらえばわかる。課題は、戦犯法廷は正しく機能したか、ではないかと思う。これだけの虐殺があっても、拘禁刑は平均15年もない。大量殺戮をしているのにジェノサイドの罪に問えない。NATOの民間人殺害を不問に処している。やはり戦争に関する犯罪規定に問題があるとしか思えない。このまま国連が現在や未来の戦争に実効的なことができるのか。正直、今の国連には期待できない。

  • 色々甚平

    旧ユーゴスラビアで起きた内戦、紛争での民族浄化を謳った大量虐殺などの戦犯について筆者が裁判官として関わった裁判ノートを元に書かれている。あまりに酷すぎて今後この民族関係が正常化することは不可能に近いのではないかと思うほどだった。この本ではセルビア人の戦犯容疑者のみを挙げられているが、イスラム人、クロアチア人も容疑者として挙げられている。タカ派民族主義政権らがプロパガンダで他民族をこき下ろす。冷戦では東西に良いように使い捨てられたり、列強国の政治に巻き込まれ、より問題の根が絡まっていく。

  • ふぁきべ

    本書において一つ重要だと思うのは、政治的なリーダーによる扇動が民族間の憎悪を作り出したという点に強く焦点が当たっているということ。著者は旧ユーゴ戦犯法廷の元判事であり、当時のメモを基に本書を書いていることを勘案すると当然ではあるのだが、そういった政治的リーダーが担ったネガティブな役割というのは、歴史的背景や宗教・民族・言語的違い、民族間での経済格差といった要素とともにより強く認識されるべきものだと改めて感じた。

  • テツ

    国際社会は旧ユーゴで行われた民族浄化について、ほぼ何もしなかった。それは各国のパワーバランスの問題や様々な思惑が絡むが故なのだろうけれど、それなら一体誰が一方的に虐殺される人間を助けてくれるのだろう。国際裁判所で裁かれた加害者側もこれだけの虐殺を行いながらも、大抵は禁固20〜30年で済まされてしまう。現代社会において神は死んでしまった、人間が殺害してしまったけれど、代わりに誰が裁きと救いを与えてくれるのだろうと、運良く生存した被害者の証言を読んでいて憂鬱になった。

  • 竹の子

    ウクライナにおける数々の戦争犯罪を我々は裁くことができるだろうか、と考えながら読んだ。もっともっとユーゴについて知らねばならないと思った。

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