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カタコトのうわごと

多和田葉子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784791774715
ISBN 10 : 479177471X
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2022
Japan

Content Description

言葉は穴だらけだ。日本語でも他の言葉でも、外から眺めてみると、欠けている単語がたくさんあって、どうして、こんな穴あきチーズを使ってものを書くことができるのだろうと不思議になる。

目次 : 1 遊園地は嘘つきの天国(すべって、ころんで、かかとがとれた/ 病院という異国への旅/ 「犬婿入り」について/ 翻訳という熱帯旅行/ 失われた原稿/ 〈生い立ち〉という虚構/ ドイツで書く嬉しさ/ シャミッソー賞を受賞してみて/ 吹き寄せられたページたち/ 樹木・電流・プラスチック/ 「ふと」と「思わず」/ ゆずる物腰ものほしげ/ 懐かしいかもしれない/ アメリカの印象/ 通信手段/ 遊園地は嘘つきの天国)/ 2 衣服としての日本語(記憶の中の本/ 刻み込まれていく文章/ 言葉のたけくらべ/ 舞台のある小説/ 人形の死体/身体/神道/ 罫線という私/ 衣服としての日本語/ 異界の目)/ 3 線は具象 具象は線(「外国語文学」の時代/ ジークリット・ヴァイゲルの「性の地形学」について/ 翻訳者の門―ツェランが日本語を読む時/ ラビと二十七個の点/ ハムレットマシーンからハムレットへ/ 身体・声・仮面―ハイナー・ミュラーの演劇と能の間の呼応/ 迷いの踊り―ノイマイヤーの「ハムレット」/ 聴覚と視覚の間の溝を覗く―朗読とダンスの共演「風の中の卵のように」/ 「新ドイツ零年」と引用の切り口/ 筆の跡/ 線は具象 具象は線/ 花言葉/ 二〇四五年)

【著者紹介】
多和田葉子 : 1960年東京生まれ。1982年にハンブルグに移住、2006年よりベルリン在住。『かかとを失くして』で群像新人文学賞、『犬婿入り』で芥川賞、『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花文学賞、『球形時間』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、『容疑者の夜行列車』で伊藤整文学賞・谷崎潤一郎賞、『尼僧とキューピッドの弓』で紫式部文学賞、『雪の練習生』で野間文芸賞など、受賞多数。ドイツ語と日本語で精力的に作品を書き続ける。1996年にはドイツ語での作家活動によりシャミッソー文学賞受賞。2018年『献灯使』で全米図書賞(翻訳文学部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    もうすぐ終了する朝日新聞に連載中の作者ですが、このようなエッセイ集があるとは知りませんでした。書物復権で再刊されたようです。90年代にさまざまな紙面に発表されたエッセイ集です。とはいうもの短編作品が2作収められていて楽しめました(遊園地は噓つきの天国・異界の目)。むかしからファンで言葉を大事にしている作者さんでその通りのエッセイなどや私が昔いたドイツに関するものもあり堪能しました。再読するつもりです。

  • チャーリブ

    1990年代に雑誌や新聞などに発表された著者のエッセイと書評などを集めたもの(一部書き下ろしも)。彼女の生い立ちやドイツで生活し始めたときの異文化体験、芥川賞受賞の経緯なども興味深く読みました。彼女が生まれながらにして「よそ者」の目を持っていたことがわかりました。「よそ者の目には時々、人の暮らしがフィクションであることが見えてしまうのだ」という一節に深く納得。私たちが衣服のように身に着けている日本語も然りです。日本語を自分とは独立した人格と見ることが推奨されていますが同感ですね。自然は無知に近い。○

  • 翠埜もぐら

    かなり古いエッセイやら短編小説などを集めた作品の再版。多和田さんの作品は少し読んだのですが、なかなか歯が立たないと言うのが正直な感想でしたが、ご本人の解説はありがたかった。読み方と言うか考え方が少しわかったような気がします。(気がするだけかもしれませんが)詩人の・・に隠された何かを探したり、ダジャレのような言葉遊びの深層心理。言葉ってあだおろそかに使ったらいけない物なんだなぁ。それでなんで最近小説が苦手になってきたのか分かりましたわ。私、想像力が足りないんだ。いまさらながら気がついてショックが大きい。

  • くみこ

    エッセイだけでなく、2編の短編が含まれています。ドイツ語と日本語の間を行き来する独特の感覚について語られた章は、既読作品の解説のようでもあり、多和田作品の元となるものに触れたような気も。感性についての辛口な意見(感性は思考なしにはありえないのに、考えないことが感じることだと思ってる…)や、「ハムレット」の解釈も読み応えがありました。文化に対して援助を惜しまないドイツの底力も改めて知りました。そんなドイツで作家活動を続ける多和田葉子さんを知るには、最適な一冊だと思います。

  • はちめ

    多和田氏の初期のエッセイなどの作品集だが、著者の率直な考えが表れている。個人的な印象として多和田氏の小説は感性的だと感じていたのだが、多和田氏は感性で書かれた小説を明確に否定していて、感性に対応する概念として思考という言葉を使っている。多和田氏自身の小説も思考の積み重ねにより書かれているという表明だと思う。 ただ、多和田氏の小説に論理的な硬さみたいなものは感じないので、やはり感覚的な印象を思考により確認しつつ書かれているという感じだろうか。本書が復刊されて本当に良かったと思う。☆☆☆☆☆

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