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方舟

夕木春央

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065292686
ISBN 10 : 4065292689
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2022
Japan

Content Description

大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。タイムリミットまでおよそ1週間。生贄には、その犯人がなるべきだ。―犯人以外の全員が、そう思った。

【著者紹介】
夕木春央 : 2019年、「絞首商会の後継人」で第60回メフィスト賞を受賞。同年、改題した『絞首商會』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • W-G

    久しぶりに国内ミステリのヒット。面白かった。『絞首商會』の作者だと全然気づかなかった。解決編のロジックもしっかりフーダニットしていて好きだし、それだけでもいい作品だとは思うが、やはりラストが秀逸。方舟というタイトルから結末までが、コンセプトとして纏まりきった。途中までは、あからさまな名探偵役がいることが、物語から浮いて見えたり、階段部の水の上昇だけで、そんなに正確にタイムリミット割り出せるか?と、蛇足な部部にツッコミ入れたりもしたけれど、終わってみれば、全てがラストの衝撃に一役買っていて素直に感心。

  • パトラッシュ

    カルト教団が残した地下施設に10人が偶然閉じ込められ、地震と浸水が偶然重なって刻々と死が迫る極限状況下で連続殺人が起こる。あまりに都合の良すぎる設定で大丈夫かと思ったが、その点を横に置けば強烈なサスペンスで引っ張っていくクローズドサークル物に仕上がっている。何より事件の解明が正義の実現ではなく、犯人を犠牲にして自分たちが助かりたいためという逆転の異常さが異常と感じられなくなっていく有様が怖い。そしてラストの大逆転は前例のない驚愕モノで、茫然とするばかりだ。ミステリ史上における里程標的作品なのは間違いない。

  • 青乃108号

    70年代の映画「ポセイドン・アドベンチャー」✕クローズドサークルといった風合いの小説だった。方舟は洋上にはなく、地下に埋まっているのだが。迫り来る浸水で逃げ場を失うタイムリミットまでに殺人犯を見つけられなければ全員死亡。よくこんなの思いついたなあ。これほど先が気になりやめられなくなった本はない。いやあるけどその中でも断トツで優勝。そしてその先、最後に待つものは。圧巻の結末にしばらく立ち上がる事が出来ない。これはまさしくブラボーな本だ。

  • starbro

    週刊文春ミステリーベスト10 2022国内部門第1位ということで期待して読みました。夕木 春央、初読です。面白くなくはないですが、断トツ1位、大絶賛までではありませんでした。しかもこの動機でここまでやるかという感じです。 「ミステリが読みたい!」(早川書房)2023年版 国内編 第6位程度の作品ではないでしょうか❓ https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000369228

  • stobe1904

    【このミス2023第4位のクローズドサークルミステリ】大学時代の友人たちと山奥に築かれた地下建築施設を訪問した柊一たちは、日没に伴い施設内に宿泊することになるが、地震ため閉ざされてしまう…。地下水の流入で水没のタイムリミットが迫る中で起きる連続殺人を、緊迫感のあるストーリーと極限状況の人間心理とトロッコ問題をからめる構想は素晴らしい。事件の取っ掛りを見つけ、そこからロジカルに事件を解き明かす切れ味も素晴らしいが、大きなヒネリがもたらすクロージングが破壊的なインパクトだった。十戒も必読となった。★★★★★

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