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ヒトとヒグマ 狩猟からクマ送り儀礼まで 岩波新書

増田隆一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004320593
ISBN 10 : 4004320593
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

生態系の頂点に立ち、近づきがたい野生動物ヒグマ。ヒトはいつどのような進化をたどってユーラシア大陸でヒグマと出会い、なぜ文化的に共存することになったのか? ヒグマの動物学的・生態学的な特徴から説き起こし、時代と地域を超えた進化上の展開を追い、クマ送り儀礼に見る人間と自然との豊饒な文化の意味にまで迫る。

【著者紹介】
増田隆一 : 1960年岐阜県生まれ。1989年北海道大学大学院理学研究科博士後期課程修了(理学博士)。アメリカ国立がん研究所研究員、北海道大学教授などを経て、現在―北海道大学大学院理学研究院特任教授、北海道大学名誉教授。専門―動物地理学、分子系統進化学。2019年日本動物学会賞、日本哺乳類学会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    ヒグマによる獣害報道はよく聞くが、ヒグマ自体については何も知らなかった。ヒグマはどんな生態系を持ち、どのように人の文化や生活に関わってきたのかあまりに無知だったと思い知る。ヒグマの冬眠と目覚めが死と再生の象徴と捉えられ、天上界と地上界を行き来する動物と見なされた。この結果、アイヌのクマ送りの儀礼をはじめ北半球でクマを主題とする口承文芸が発達したという。ここまで人と深い精神的関係を結ぶ生き物は、犬猫や馬ならともかく野生動物では他にない。同じ国に生きるものとして、もっと日本人はヒグマの実態を知らねばならない。

  • skunk_c

    北海道には50回は行っており、大概の動物は見たがヒグマだけは有珠山ロープウェイの隣にあるクマ牧場で見ただけだ。ツキノワグマは東北の路上で2度ほど見たが。そんな北海道のヒグマについて、北海道大学で「ヒグマ学入門」を長らく担ってきた著者が、その生態や世界における分布から、イヨマンテとして知られる熊送りの儀礼のユーラシアでの広がり、さらには心理学にまで踏み込んだ「ヒグマ文化論」を展開する。推察も多いが自然科学者らしく丁寧に説明しており、無理な推論ではなく興味深い説として読めた。会いたくはないが自然個体を見たい。

  • 活字の旅遊人

    「イヨマンテ」。神秘的な響きで耳に残っていたけれど、「飼育型クマ送り儀礼」のことだったのか。仔グマを飼育して儀式に使う。現代では廃れているし、やったら批判殺到だろうけれど、人間はそうやって自然の力を畏怖しながら利用してきたんだな、これが森・熊との共存なんだろうな、と思わせてくれた。遺伝学的分布から生態、そしてヒトとの文化的宗教的関り。これは文化だ。面白かった。尚、引用文献に同じ岩波新書がよく出てくるのがなんとなく気になった。それをカバーで宣伝する岩波新書、なかなか面白いことするじゃないか!

  • kuukazoo

    著者は動物地理学、分子系統進化学が専門で長年北海道大学で「ヒグマ学入門」の授業を担当。「ヒグマは、ヒトとの物理的距離こそ遠くありたい動物だが、精神文化的には極めて近くて深遠な動物」とはなるほどである。動物学的分類、生態系における役割、ミトコンドリアDNA分析による地理的分布、大陸移動の歴史、古代人類との関わりから、クマ送り儀礼や仔熊を介した異文化交流や象徴としての熊など文化面まで幅広く解説。オホーツク文化についてもっと知りたくなった。専門外の部分は想像が豊かすぎたりざっくりな感じだがそれなりに興味深い。

  • フク

    #読了 クマ送りの儀式はユーラシアの北部で共通していると言うことが興味深かった。 〈ヒグマを単に危険で怖い動物としてとらえるのではなく、自然現象そのもの、生態系の一部としてとらえることが大切である〉 図書館

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