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木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか 下 新潮文庫

増田俊也

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101278124
ISBN 10 : 4101278121
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2014
Japan

Content Description

牛島辰熊と袂を分かち、プロレス団体を立ち上げた木村政彦。ブラジルやハワイ、アメリカ本土での興行を経て帰国し、大相撲元関脇の力道山とタッグを組むようになる。そして「昭和の巌流島」と呼ばれた木村vs力道山の一戦。ゴング―。視聴率100%、全国民注視のなか、木村は一方的に潰され、血を流し、表舞台から姿を消す。木村はなぜ負けたのか。戦後スポーツ史最大の謎に迫る。

目次 : 鬼の木村、ブラジルに立つ/ エリオ・グレイシーの挑戦/ マラカナンスタジアムの戦い/ もう一人の怪物、力道山/ 日本のプロレスの夜明け/ 大山倍達の虚実/ プロレス団体旗揚げをめぐる攻防/ 木村は本当に負け役だったのか/ 「真剣勝負なら負けない」/ 木村政彦vs力道山/ 海外放浪へ/ 木村政彦、拓大へ帰る/ 復讐の夏/ 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ケイ

    戦後に柔道を始めるくらいの年であったら、かれは柔道家人生を全うしていたのではないだろうか。GHQの手による流派の統制、最も活躍できる時代に選手でいれなかったこと、師匠の起こした事件など、真っ当な柔道とは離れたところに巻き込まれた。柔道だけしていたら、力道山と戦うことも負けることもなかった。相手がズルをしたとしても、もともと八百長とわかって入った時点で何を言ってもダメである。その後の彼の生き方は、まさに再生とも言えるものだろう。勝っていたら、その後の彼の人生はこれほど充実しただろうか。タイトルには疑問。

  • Nobu A

    この展開は予想出来なかった。下巻に入り、エリオ・グレイシーや大山倍達まで登場し、俄然面白くなる。改めて雑感を述べよう。増田俊也著書初読。14年刊行。数多くの柔道を含む格闘技関係者へのインタビューと参考資料渉猟の賜物。不世出の天才、木村政彦の偉業を浮き彫りに。それだけでなく、牛島辰熊→木村政彦→岩釣兼生→石井慧の系譜と師弟愛を見事に描写。他方、本巻は感傷的は表現が多く、ライターとしての資質に疑問符が付くが、それを補って有り余る熱量に圧倒されてしまった。プロレスファンじゃなくても目頭が熱くなる。

  • Willie the Wildcat

    紆余曲折の末の復帰。師・牛島氏と、後継者・岩釣氏。力道山死後の「生」に苦悩を齎す勝負師魂。武道家魂を売り渡した因果応報かもしれないが、武道家魂故の悔恨ではなかろうか。故の本著タイトル。一方、力道山との対比は、若干過渡な比較かなとも感じる。幻の念書は確かに懐の甘さ。だが、そもそも論でのプロセスにおける”役割”分担や、対戦への準備不足は自業自得。背負う辛さも人並み以上だったと推察。”鬼”四天王の一角、抗生物質を病の奥様へ送付・・・、「剛柔」の人間味。

  • こばまり

    一人の伝説的格闘家の人生を追うことは即ち、日本柔道の歴史的混沌、プロレス創世記、戦後史の検証をも引き受けることと同義と納得。渾身の、執念のといった形容が似合う力作だ。むせ返るような男の世界を描いた著者が用意したエンディングにほろり。

  • harass

    一気に上下巻を読んだ。プロレス転向した木村は力道山と試合を行う。ただ木村はブック(台本)有りだと考えていたのだが…… 結局木村が負け評判が地に落ちたまま生き続けることに。時代の移り変わりと共に象徴的な強い男たちが入れ替わる。ノンフィクションものでも、スポーツ・武道は勝負がわかりやすく鉄板の題材だと再認識した。強さを求める怪物たちの話は過剰でわかりやすく面白い。最後のエピソードに唖然。もう思い残すところはないだろう。単行本がでた時にネットで話題になっていて読んだつもりになっていて大反省。ぜひ読むべし。

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