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民族とネイション ナショナリズムという難問 岩波新書

塩川伸明

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004311560
ISBN 10 : 400431156X
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2008
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「民族」「エスニシティ」「ネイション」「ナショナリズム」とはそれぞれ何だろうか。国民国家の登場から冷戦後の地域紛争までの歴史を辿りながら、複雑な問題群を整理し、ナショナリズムにどう向き合うかを考える。

【著者紹介】
塩川伸明 : 1948年生まれ。1979年東京大学大学院社会学研究会(国際関係論)博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院法学政治学研究科・法学部教授。専攻はロシア現代史・比較政治論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • skunk_c

    実に新書らしい概説書。定義から始まりその難しさで終わるという構成だが、真ん中に19世紀以降2008年までの具体例をちりばめてあり、その単純化の難しさを整理してある。アンダーソンにせよホブズボームにせよ、事例の話を細切れに混ぜ込むため難解な印象を与えるので、こうした整理はありがたい。しかも著者はたびたび単純化して理解することへの警鐘を鳴らしている。またアンダーソン『想像の共同体』に対する評価も的確で、あの作品の重要性も見えてくる。しかし2008年段階で「沈静化した」と評価していたクリミア問題がこうなるとは。

  • かんがく

    理論から歴史まで、ナショナリズムの概論としてとてもよくまとまっている。やや古い本だが、著者の専門がロシア史であるため、帝国からソ連を経て現在に至るロシアと周辺国の民族問題についての記述が充実しており、ウクライナ問題を考えるヒントにもなった。

  • 非日常口

    ウェストファリア条約によりキリスト教徒の戦争は終わりをつげ、新たに世界には民族自決という宗教が生まれた。ナポレオンのように強国(帝国)ができると、近隣諸国はナショナリズムによる団結を目指し総力戦の下地を生む。19c末に電信によるグローバリズムから世界大戦の道が開く。ウィルソンの発言は、国家を持てた民族より持てずにいる遥かに多くの民族を考えてのことなのか。ボーダレスにより逆に垣根を強化する運動も起きた。作られた連帯感/共同性による作られた思い込み。資本主義のもう一つの側面を各国史概観から触れられる。

  • ミッキー・ダック

    民族と国家をめぐる問題は多種多様だが、著者は概念の整理・事例比較と類型化・軍事紛争に至る前の処方を試みている。余りにも膨大な内容を新書で扱っているので、全体を概観しただけの中途半端な感じは否めないが、勉強にはなった。近代国家と民族は1対1対応しておらず多民族が国内外に分散しているが、民族間に経済的・社会的格差があると、民族間に恨みや妬みが生じ紛争に繋がる。現在ではグローバリズムに対抗して各国に台頭してきた狭いナショナリズムが問題。軍事的衝突に至る前の、歯止めの初期対応が大事とは当然すぎる結論。

  • tolucky1962

    今週,副総理が発言訂正したが難しい問題。血縁,言語,宗教,習慣,文化でつながるエスニシティが国を持つべきと意識したのが民族。多国分立,複数民族国,民族=国,国なき分散民族がある。統治者が文化的均質化で一体感創出を図る。愛国主義とナショナリズムはそれぞれの都合で違う意味で使われ,政治家が打算的に感情を使う。 具体的に各国の様子を示す。日本は戦国,江戸,明治時代の流れのあと,琉球処分や植民地帝国など示す。3章4章は大戦,冷戦とそれに伴う民族問題が詳しく書かれている。 知らない歴史が多く,複雑で難しい問題。

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