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脱「いい子」のソーシャルワーク 反抑圧的な実践と理論

坂本いづみ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784768435823
ISBN 10 : 4768435823
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

福祉職が社会構造による抑圧を黙認するとき、支援を必要とする人たちもまた、その抑圧構造に否応なくからめとられていく。わが身のしんどさと我慢がより弱い立場の人たちに向いてしまわないために、「変えられないもの」と思い込んでいる法や制度、社会規範に対し、批判的な目を向けよう。あらゆる福祉現場の「しょうがない」を乗り越え、多数派にとって都合の「いい子」を脱するためのソーシャルワーク入門書。

目次 : 第1部 AOPを知る(反抑圧的ソーシャルワーク(AOP)とは何か―概論と方向性/ カナダでのソーシャルワーク教育の状況と課題)/ 第2部 AOPの可能性(「私」から始めるAOP―ケアを中心とした社会をつくるために/ ささやき声の共鳴から生まれる私たちのAOP―「しょうがない」の向こう側)/ 第3部 AOPと日本の現状(日本のソーシャルワーカー教育とAOP―社会福祉専門職教育に今こそAOPが必要な理由/ 精神障害と抑圧・反抑圧/ 障害当事者運動にみるAOP―その可能性と課題/ 支援者エンパワメントとAOP)/ 明日から始める反抑圧的ソーシャルワークのタネ

【著者紹介】
坂本いづみ : カナド、トロント大学ソーシャルワーク学部准教授。社会福祉士。博士。上智大学社会福祉学科卒業、同大学大学院修士号取得(社会福祉学専攻)。フルブライト奨学金を得て、ミシガン大学大学院ソーシャルワーク修士課程(MSW)と心理学修士課程修了後、ソーシャルワークと心理学の二重専攻で博士号取得。在学中に多国籍の留学生家族の支援のコミュニティ・プロジェクトを立ち上げた。トロント大学では、AOPの研究のほか、移民の雇用差別や、日系カナダ人のアートを使ったアクティビズムなど、コミュニティに根ざした参加型の研究を行っている

茨木尚子 : 福岡県生まれ。明治学院大学社会学部教授。早稲田大学教育学部卒業後、東京都特別区福祉職として障害者施設での勤務を経て、明治学院大学大学院社会学専攻博士前期課程修了。日本における障害者自立生活センター創設期から、障害当事者の活動にかかわりながら、当事者主体の社会福祉支援とは何かを、組織運営も含めて研究課題としている

竹端寛 : 京都市生まれ。兵庫県立大学環境人間学部准教授。大阪大学人間科学部卒。同大学院修了。博士(人間科学)。山梨学院大学教授を経て、現職。脱施設化と権利擁護研究を土台に、ダイアローグを基盤とした地域福祉・多職種連携などの研究や研修にも携わる

二木泉 : 大学卒業後、民間企業を経て、国際基督教大学博士前期課程修了(行政学修士)。介護福祉士として認知症専門デイサービス、訪問介護、専門学校講師などに従事。2014年に子どもと共にカナダに渡り、トロント大学大学院に留学(ソーシャルワーク修士)。現在はトロント郊外の高齢者入所施設にてアクティビティケアを実践しながら、トロント大学博士課程(社会学)に在籍。オンタリオ州認定ソーシャルワーカー

市川ヴィヴェカ : 東京生まれ。社会福祉士・保育士。NPO団体理事・市役所福祉保健部の非正福祉職員として生活困窮世帯・生活保護世帯の子どもと家族支援に従事。2017年よりカナダ・トロント大学大学院社会福祉学部に留学。「社会正義と多様性」専攻。LGBTQ+難民支援、若年ホームレスの家族カウンセラーとしての経験を経て、2020年より同大学院社会福祉学部博士課程に在籍。浦和大学子ども学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ちえ

    ソーシャルワーカー自身が、抑圧ー被抑圧という構造の中にあり、歴史的に弱者への抑圧に関わってきた歴史。そこを自覚し、少しずつでも声を上げ繋がることがワーカー自身をも利用者自身や社会を変えていく方向に繋がること。気が付いたり、はっとさせられる文章がいくつもあった。

  • がみ

    ソーシャルワークは個々人の課題を解決するというよりもむしろ社会構造に対して働きかけるものだという信念でもって書き上げられた1冊。会社や組織の中で「いい子」をやってる全ての人に読んでもらいたい。本書の中では福祉業界がメインで書かれているが、自分にとってはまるで教育業界の実態が書かれているように読み取れて、サービス残業ややりがい搾取の温床が社会のあちこち(とりわけエッセンシャルな職種)で起こっているように感じる。「これってなんか変だよね」という声を少しずつ大きくしていくことが社会変革の第一歩に繋がる。

  • ryo

    自分の考えと重なることが多くとても励みになった

  • Bevel

    脱「いい子」のソーシャルワーク(AOP)が目指すのは、「社会から様々な抑圧をなくし、みんなが自己実現できる社会」であり、要は、日常に疲れきった介護者の批判的反省から出発し、当事者を抑圧する構造的要因にコミットしつつ、当事者のできることを補助する考え方である。マジックワードとして機能する「構造的要因」が掘り下げられない点、具体的な解決法として芸術とかオープンダイアローグに丸投げする点、もう少し豊かになればなあという感じ。竹端さんの議論に拡がりを感じた。もう一回り大きな文脈の人を巻き込んで議論を聞きたいな

  • aof

    やー、めちゃ良い本だな。 社会福祉がサービス中心になっていて一番重要なソーシャルワークが無償になってしまってるのは、本当に耳が痛い。 ソーシャルワークを交差的に捉えること、ソーシャルワークが社会変革の起点になること、抑圧されている自分と特権的な自分を自覚すること。 なんか大事なことがたくさん書かれてた。 なによりソーシャルワークの力を信じてる本だったな、アツいわ。

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