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辻調鮨科

土田康彦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784396636142
ISBN 10 : 4396636148
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「命がけで鮨を握ろうという覚悟がある者だけ、ここに残れ。できない者には、退学を勧める」開口一番、城島先生は宣言した。僕たち鮨科一期生は震えあがった―。昭和六十三年春、大阪。世界に名だたる辻調理師専門学校、通称「辻調」に鮨科が新設された。岡山の平凡な豆腐屋の息子として育った僕、長谷川洋右は、どこか生半可な気持ちのまま鮨科に入学する。基本となる大根のかつら剥きさえ満足にこなせない落ちこぼれの僕に厳しくも辛抱強く教えてくれたのは、口下手で強面だが腕は一流、赤坂の名店仕込みの城島先生だった。尊敬すべき先生にはしかし、知られざる壮絶な来歴があった…。昭和最後の年。若者たちは、青春の全てを鮨に捧げた―世界的ガラス作家の鮮烈デビュー作!

【著者紹介】
土田康彦 : 1969年、大阪市生まれ。88年、辻調理師専門学校卒業後、フランス・パリで食と芸術の道を目指す。95年より、イタリア・ムラノ島にてヴェネツィアンガラス制作に携わる。2008年、第11回オープン国際彫刻展に日本代表として出展し、最優秀グランプリ受賞。14年、第53回日本現代工芸美術展現代工芸賞。小説は『辻調鮨科』がデビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kinnov

    シンプルで、だから心に響く良書。暗く辛い世の中の裏面やドロリとした何かがあるわけではないが、爽やかな風を感じる青春小説も、時には必要だ。挫折、人の死もきちんと描かれているし、実在する方の事を知れば、良く書きあげたと思う。作者の、あの時あった事、いた人の記憶を小説として残そうとする姿勢、作品の質感だけでも、しっかりと受け止めたくなる良品だ。読書中も読後も、無性に仕事をしてある鮨を食べたくなる。赤坂のあの店に自腹で行けるほど裕福ではないが、あの鮨を経験できたのは幸せに尽きる。

  • tetsubun1000mg

    迫力のある表紙イラストと「辻調鮨科」のタイトルで選ぶ。 表紙は親交のある「千住博」氏が書いた師である伊藤氏の表情のようだ。 辻調理師学園が新設した鮨科の一期生となった作者の学園生活を描いた作品。 辻調の張りつめた授業と講師の料理に対する情熱が伝わってくる。 作者のホームページによるとパリとイタリアで料理修行時に、ベネチアンガラスと出会いやがて専念して作品を出すようになったそうだ。 ガラス器の作品は独特の配色と形でオリジナリティ溢れる作品でした。 本作も同期の菓子科に鎧塚俊彦氏が出てきてリアリティーがある。

  • miu

    ベネチアガラス作家の土田康彦氏が書いた初の小説。自身のルーツでもある辻調理師専門学校。その鮨科第一期生の若者たちの1年。ぐいぐい進むリズムの良さ。年齢、性別、国が違う同級生と曰くありげな先生。そして阿倍野の街。面白かったなぁ。これはあの人?という登場人物や、この場所はあそこ?というシーンが沢山あって楽しかった。カバーの絵もいい!

  • たいこ

    田舎の豆腐屋の息子が辻調に入学してからの1年を描く作品。主人公の素朴な人柄、芯の通った熱い恩師、鮨科の同級生、クリーニングの窪田さん、大阪の街並み、時代、全てがいい。冒頭の、親父との別れのシーンからもううるっと来る。バブル時代やけど全く恩恵を受けず、夢だけ背負って頑張る貧乏学生たち。そりゃ応援したくなるよ。

  • 外道皇帝

    鮨好きとしてはタイトルからして読まざるを得ない。こういう熱意のある若者の鮨屋に通いたいと思う。

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