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脚本家 黒澤明

国立映画アーカイブ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336073969
ISBN 10 : 4336073961
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

世界の文豪たちの影響を受け、若き日から脚本を執筆することで成長してきた黒澤明。『七人の侍』をはじめとする傑作脚本の生成・変更の過程を分析し、また他の監督たちに提供した脚本、新たに発見された未映像化脚本も加え、「脚本家 黒澤明」による知られざる創造の秘密を解き明かす。オールカラー。

◆第1章 脚本家・黒澤明の誕生
若き黒澤明も、師匠である山本嘉次郎監督の薫陶を受けながら、多忙な助監督業務の傍ら脚本の執筆に励んだ。監督デビューに至るまでの「書く人、黒澤明」の道のりをたどる。
◆第2章 敬愛した文豪たち
黒澤の映画世界に影響を与えた文豪の生み出す物語・人間観と黒澤映画の関係を改めて検討するとともに、黒澤世界に強い影響を与えたバルザックの小説について新たな考察を加える。
◆第3章 『七人の侍』創作の秘密
世界映画史の最高峰のひとつ『七人の侍』は、黒澤と橋本忍、小國英雄の3名の合作による脚本の映画化である。侍たちそれぞれのキャラクターはどのように構想され、肉付けされたのか。またストーリーの構造はいかに構築されたのか。その過程を、新たにアイデアの源泉として注目されるソビエトの文学者ファジェーエフの小説にも触れながら解き明かす。
◆第4章 創造の軌跡T――『隠し砦の三悪人』をめぐって
痛快な娯楽篇『隠し砦の三悪人』のシナリオは、菊島隆三の第1案を膨らませるかたちで、黒澤、菊島、橋本忍、小國英雄の4名が旅館に泊まり込んで書かれた。全体を通したたたき台を作らず各脚本家が同時に各シーンを執筆する「いきなり決定稿」方式で作られた、そのスリリングな生成過程を紹介。
◆第5章 創造の軌跡U――改訂の過程をたどる
力強く太い流れを感じさせる黒澤映画の世界は、脚本でどのように造形されていったのか。『醉いどれ天使』『生きる』『悪い奴ほどよく眠る』『天国と地獄』といった名作群の生成過程、特に黒澤による決定稿の追加改訂への粘りと創造力に焦点をあてる。
◆第6章 創造の軌跡V――井手雅人とともに
後期の黒澤映画に欠かせない存在となった脚本家・井手雅人。大作『乱』や、クレジットされていない『デルス・ウザーラ』を含め、国際的な合作映画の製作を志す黒澤を支えたその功績を、貴重な一次資料も含めて明らかにする。
◆第7章 黒澤明が提供した脚本たち
黒澤の功績の中でも比較的光が当たりにくいのが、自身では監督していない執筆脚本の数々である。東宝の同僚であった谷口千吉、本多猪四郎や堀川弘通のほか、数々の名監督のために黒澤は自身の脚本を提供している。そのような他監督への提供脚本を紹介。
◆第8章 映像化されなかった脚本たち
輝かしい傑作を送り出した黒澤の映画人生は、一方で多くの企画の断念を余儀なくされた挫折の年月でもある。クランクインまで進みながら監督降板となった『トラ・トラ・トラ!』をはじめ、黒澤が心血を注ぎながらも映画化に至らなかった幻の脚本の数々を紹介する。中でも新発見の脚本『ガラスの靴』は必見。

[目次]
ごあいさつ Foreword
黒澤明 脚本リスト
図版
第1章 脚本家・黒澤明の誕生
第2章 敬愛した文豪たち
第3章 『七人の侍』創作の秘密
第4章 創造の軌跡T――『隠し砦の三悪人』をめぐって
第5章 創造の軌跡U――改訂の過程をたどる
第6章 創造の軌跡V――井手雅人とともに
第7章 黒澤明が提供した脚本たち
第8章 映像化されなかった脚本たち
海外での脚本出版と合作用の英訳脚本
図版一覧


《著者情報》
国立映画アーカイブ
映画フィルムや映画関連資料を広く収集し、その保存・研究・公開を通して映画文化の振興をはかる日本で唯一の国立映画機関。昭和27(1952)年に設置された国立近代美術館の映画事業(フィルム・ライブラリー)に始まり、昭和45(1970)年の東京国立近代美術館フィルムセンター開館とその後の活動を経て、平成30(2018)年、独立行政法人国立美術館の6番目の館として設立された。平成7(1995)年には建物をリニューアルし現在に至る。

槙田寿文(マキタトシフミ)
1959年北海道生まれ。黒澤明研究家。NPO法人映像産業振興機構所属。「公開70周年記念 映画『羅生門』展」(2020年)、「旅する黒澤明」展(2018年)、「生誕百年 映画監督 黒澤明」展(2010年)[いずれも国立映画アーカイブ]への企画協力・資料提供をはじめ、TV番組『イノさんのトランク〜黒澤明と本多猪四郎 知られざる絆〜』(2012年、日本放送協会)の企画・監修、「国際ドストエフスキーシンポジウム」(2018年、ブルガリア)や「ラモン・マグサイサイ賞『羅生門』シンポジウム」(2021年、フィリピン)等での海外講演、黒澤明研究会誌への論考発表など多様な観点から黒澤明の研究活動を続けている。

【著者紹介】
槇田寿文 : 1959年北海道生まれ。黒澤明研究家。NPO法人映像産業振興機構所属。「公開70周年記念映画『羅生門』展」(2020年)、「旅する黒澤明」展(2018年)、「生誕百年映画監督黒澤明」展(2010年)“いずれも国立映画アーカイブ”への企画協力・資料提供をはじめ、TV番組『イノさんのトランク〜黒澤明と本多猪四郎知られざる絆〜』(2012年、日本放送協会)の企画・監修、「国際ドストエフスキーシンポジウム」(2018年、ブルガリア)や「ラモン・マグサイサイ賞『羅生門』シンポジウム(2021年、フィリピン等)での海外講演、黒澤明研究会誌への論考発表など多様な観点から黒澤明の研究活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • d3

    国立映画アーカイブで昨年開催された同名展覧会の図録。 世界のクロサワとして映画史に名を残す黒澤明監督の脚本家としての側面に迫る。 黒澤も初めから監督だったわけではない。それでも監督昇格は同期より早かった。とにかく脚本を書く助監督だったからだ。 修行時代は先輩監督作品の脚本もゴーストライター的立ち位置で書いていたりもする。 リストアップされた脚本は100本近い。当然映像化されなかった作品も多い。 それでも情熱は消えず、脚本執筆のための創作ノートも多数公開されている。 力強い黒澤演出の根幹を見た。

  • ぐうぐう

    国立映画アーカイブで開催中の「脚本家 黒澤明」展公式図録(残念ながら展覧会は未見)。これまで国立映画アーカイブでは、監督としての業績を振り返る「生誕百年映画監督黒澤明」展、ポスターを通じて黒澤映画がいかに海外に紹介されたかを知る「旅する黒澤明」展、そして『羅生門』に焦点を当てた「公開70周年記念映画『羅生門』展」と、黒澤明関連の数々の展覧会を開いてきた。今回は脚本家としての黒澤明に迫る。自身の監督作の脚本は当然のことながら、(つづく)

  • ファイロ・ヴァンス

    黒澤好きの、黒澤好きによる、黒澤資料! 映画好きにはたまらない一冊です。

  • ホンドテン

    図書館で。併読の黒澤(75/90)の理解補助及び裏付け、ついでに登場した脚本作品のポスターなど見られて眼福(三題話ででっちあげた「銀嶺の果て」とか)。「七人の侍」は『戦争と平和』ファジェーエフ『壊滅』(ついでに菊千代登場の難産)「生きる」は『ファウスト』から物語骨子を得ているという指摘には驚愕。更に名匠の愛読書にバルザックがあろうとは、登場する『フェルミア夫人』『知られざる傑作』『柘榴屋敷』は入門動機となる。

  • ruru3067

    影響を受けた作品との比較や準備稿と決定稿を比較して決定稿で得られた効果などが書かれていて面白かった。

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