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先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選

喜田貞吉 / 礫川全次

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309224770
ISBN 10 : 4309224776
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2008
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

歴史学と民俗学の博捜する知見と鋭い洞察力を駆使して、先住土着民族と差別の問題を追究し続けた著者の、面目躍如たる代表的な文章を集大成。国栖、蝦夷から、サンカ、憑き物、人柱、法隆寺再建論まで。

【著者紹介】
喜田貞吉 : 1871年、徳島県生まれ。古代史・考古学・民俗学。京都帝国大学教授。アイヌ・蝦夷研究、法隆寺再建論、被差別部落研究の先駆者。1939年逝去

礫川全次 : 1949年生まれ。在野史家。フィールドは、近現代史、犯罪・特殊民俗学。歴史民俗学研究会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • gtn

    「先住民史観」に立つ著者。戦中、日本民族が中堅となり、諸民族を同化融合せねばならぬと説き、それが他国侵略の理論武装ともなった。著者を優れた歴史家と評価する編者さえ、なぜ自らすすんで帝国日本のイデオローグとしての役割を引き受けようとしたのかと訝るが、著者の経歴をみればなんとなく分かる。著者は元々文部省の出。国家公務員は、保身のため、時の権力に忖度することを第一義としており、かつ、慣れている。

  • 田中峰和

    先住民の研究は遺跡の発掘と神話の分析から影響を受ける。前者の場合、縄文人と弥生人という分類が重要だが、後者では記紀神話の解釈が中心となる。神話を解釈する際、問題なのは戦前の皇国史観が学術研究を阻んだとい事実。大逆事件の被告・幸徳秋水は明治天皇暗殺未遂事件の裁判で皇室の正当性を問うた。今の天皇家は南朝の天皇を殺害し、三種の神器を奪った北朝の末裔で、それを神と崇める思想を批判した。先住民アイヌは本州にもいたが、大陸から下った民族に征服され蝦夷に撤退した。弱者の先住民は差別され、皇族が頂点の征服民は強者となる。

  • Hiro

    古代の埋葬法を考察した、書中の一章、10ページほどに目を通したに過ぎない。だがこの一文のお陰で、洗骨という、私にしてみれば驚くべき埋葬法の一端に触れる事ができた。洗骨の存在を知ったのは先日沖縄観光で訪れた首里城近くの玉陵での事。火葬に慣れた身には俄かには信じられない死者の扱い方だが、古墳中に、狭い棺に何体もの遺体が骨となって生前の寝姿のままに並べられているのは洗骨によるのではないかと本書は述べている。古代ではむしろ由緒ある厳粛な葬り方であったのだ。また本書では火葬や散骨も古代から高貴な人々にあったと言う。

  • てれまこし

    より慎重な柳田国男に比べて、喜田は気軽(?)に大胆な仮説を提示していく。その真意が測り難い柳田に対して、日本人とは皇威のもとに同化された混合民族であるという一視同仁の同化主義もわかりやすい。それが故に批判も容易なのだが、今日振り返ると至るところに先住民の陰を見る喜田の方が、より現実に近いような気がする。しかも、蝦夷が武士道に与えた影響など、一方的な同化というより、むしろ北方文明が西方文明の在り方を変えてしまったような解釈も魅力的だ。もののけ姫のアシタカなどもこうした喜田の蝦夷観に基づいたキャラなのかも。

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