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戦下の読書 統制と抵抗のはざまで 講談社選書メチエ

和田敦彦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065403365
ISBN 10 : 4065403367
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

戦時下、人々は何を読み、何を考え、何になったのか――。
ベストセラーでも発行部数でもない、「読書調査」から掘り起こす、子供・勤労青年・女性・エリート学生たちの読書と生のリアル。統制と抵抗のはざまには、多様で複雑な読書と生の実践があった!

[目次]
はじめに 思想統制という幻像
序 章 読書は国家のために?――読書調査と思想統制
第一章 子供は見てはいけない――「悪書」の誕生
第二章 勤労青年は何を求めたか――娯楽と修養のはざまで
第三章 銃後女性の読書とその動員――忘れられた小説と忘れてはならない小説
第四章 ファシズムとエリート学生との回路――愛と認識との行方
終 章 読書を掘り起こす――「見えない」読者を追って
おわりに 読書傾向調査の系譜

あとがき

【著者紹介】
和田敦彦 : 1965年、高知県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、早稲田大学教育・総合科学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    戦時下では国や軍に有用な本以外の読書は禁止とのイメージがある。確かに思想統制な部分もあったが、一般大衆向けの娯楽本も広く認められていた実態を当時の読書傾向調査から明らかにする。特に工場や農村の勤労青年や銃後の女性などの好む本を調べ、上から押しつけるのでなく国の望む方向へ導こうと苦心する様子が面白い。国民の知る権利など考えもしない社会主義国に比べ、全くのユルユルといえる。佐藤卓己『言論統制』がエリート層や知識人の言論抑圧を扱うのに対し、見落とされてきた労働者や女子供が読書に何を求めていたかを知る上で有益だ。

  • 軍縮地球市民shinshin

    選書メチエにしては結構専門的な内容。戦前・戦中の読書傾向調査を元にして、当時の政府がどのような内容の本を国民に読ませようとしたのか。また国民は、政府が推奨した本を本当に愛読していたのか、という2点を軸にして解明を試みようとした意欲作。結果として、当時の国民は政府が推奨した本はあまり読まれていなかった、というものだった。戦後は文部省などが「推薦図書」をすることはなくなったが、児童・生徒には「読書感想文の推薦図書」の形で残っており、それも本書と同じ視点で検証すれば、戦後の教師や知識人は子どもにどういった思想に

  • そうたそ

    ★★★☆☆ 戦時下で人々は何を読んでいたのか。戦前、戦中に盛んに行われた読書調査から、当時の読書を分析し、戦時下という複雑な状況での読書はいかにしておこなわれていたのか考える一冊。巻末の資料を見ても、こんなにも当時読書傾向調査が行われていたのかと驚く。その調査の分析がメインなため、当時の人々が何を読んでいたのか、その中身に踏み込む部分は薄い。とはいえ、一般的に想像しがちな戦時下の読書よりも、案外と人々は自由に読書を楽しんでいたのだという事実は興味深い。

  • iwasabi47

    真っ当な本。まず「読書調査」利用と限界、読書調査と思想統制で見出される読者、子供(悪書の誕生)、勤労青年(娯楽と修養)、女性(何を読んでるかの実態)、エリート(ファシズムとの関係)、「見えない」読者(例えば兵書)。トピックして面白いのは、「雑誌」が多く読まれ、その中の多く連載小説などがまだ研究の遡上になってない、読書論からの西田幾多郎「純粋経験」批判などヒントがあった。資料編になる別本もあり。読書論の一里塚になるのかな。

  • えびちゅん

    戦時下における読書というと思想統制的な抑圧されたイメージを抱いていた。その見方は一面的な見方であり実態は人々の読書傾向には濃淡があり、年代や性別職業カテゴリーによっても幅広な読書活動が営まれていたことが、戦前戦中に盛んに行われた読書傾向調査によって明らかになった。推薦図書や読書会などの通俗教育を通した思想善導・皇国教育的な動きもあったが、実学教育や図書を介した共同体の樹立という側面が強かったのではないか。文部省が推薦する内容に適した本がないなどの理由から娯楽や講談を読むという実態や、国の掲げる国体にまつわ

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