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江戸の刑事司法 「御仕置例類集」を読みとく ちくま新書

和仁かや

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480077189
ISBN 10 : 4480077189
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

物怪憑きに責任能力はあるのか? 放火と失火では、どれくらい罪の重さが違う? 江戸時代の法的思考を解き明かす、ヴァーチャル御白洲ここに開廷!

【著者紹介】
和仁かや : 早稲田大学法学学術院教授。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。神戸学院大学法学部、九州大学大学院法学研究院准教授などを経て2018年9月より現職。専門は近世日本法制史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • サケ太

    べらぼうに面白い。江戸の刑事司法、つまり治安の根幹となる刑事罰の判断はどのような理論で行われていたのか。ただ、野蛮なものだったのか、“死刑”を前提とした見せしめでしかなかったのか。否、決して否。少なくとも、刑事司法の判断を行っていた者たちは、死刑を避けようとしていた。しかし、あくまで法、前例を踏襲した判断を行い、あくまで当時の倫理観的にではあるものの、バランスをとろうとしていた印象がある。例として出される実例を含め、当時の人々の思考を知る事の出来る良書。

  • さとうしん

    江戸中期の五つの判例から見る江戸時代の司法のあり方。公事方御定書が明律の影響を受けているとか、細かいところまで規定があるわけではないので奉行らは過去の判例によりつつできるだけ妥当な判決を導き出そうとしたという話が興味深い。自白に頼らず物証を重視する、厳罰百戒的な発想でもなくできる限り客観的な吟味を心がけるというあたりは現代日本の警察の取り調べよりも近代的なのではないかと思わせられる。

  • OjohmbonX

    江戸時代後期の、刑事事件の量刑判断のロジックやプロセスを実例で解説していて面白い。時代劇などでは奉行や代官の個人的な判断で処理されているイメージだが、特に重罪については慎重な検討が加えられている様子がわかる。「法令・判例との論理的整合性を重視するが、個別具体的な事実関係も見る」「(科学捜査に限界はあっても)供述証拠以外の証拠も集める」「重い事案は評定所→老中と判断を上げて現場のみで判断しない」「評定所も老中の意見に反駁するし、老中がその反論を受け入れることもある」という。

  • フクロウ

    面白かった!個人的にも、講義では薄く浅くやっても面白くないし、学生も面白くないだろうので、個別判例について対話型で徹底的に掘り下げる方針で組み立てているため、素材が違う点だけを除けば、コンセプトはほぼ同じ方向であって、スラスラ読めた。もっとも、クイズはいつも2/3しか正解しない…難しい。我々は、たとえば公事方御定書の文面だけを見て、江戸時代はやはり、ヤレ野蛮だの、ヤレ遅れてるだの言いがちであるが、それは現代こそが文化や歴史の到達点だと盲信したい現代人のうぬぼれの反映にすぎない。実際には判例法があった。

  • 261bei

    御仕置例類集(判例集)から5つの事件を抜き出して評議(といったら時代錯誤だが)の様子を再構成し、厳罰主義ではあるが個別事情の考慮を熱心に行う当時の刑事裁判の実情を伝える本。非常にライトな文体ですぐ読めるが、元々は授業教材として作った「ヴァーチャル御白洲」だということで納得。今回の書籍化で復活したものの、Flash(死語)のサポート終了で使えなくなってしまったというのはなんだか身につまされる話だ。

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