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ISBN 10 : 4901835564
Content Description
御幣餅は粳米を半殺しにして、木串や竹串に握りつけ、表面を狐色になるまで炙り、味噌または醤油ベースのタレをつけ、再び焼く。それだけの料理である。
この簡素そのものの料理は、山での仕事と生活の安全や、豊作と豊猟を神に願う供物が始まりとされる。
その後、晴れの日だけに食べる「ご馳走」の時代が長く続き、その豊かさを日常的に口にできるようになるのは、昭和、それも太平洋戦争が終わってしばらく過ぎた頃。時を同じくして、家庭で晴れの日に作っていたものから、町で毎日販売されるまでになった。
また、NHKの朝ドラ「半分、青い。」の影響で、御幣餅が全国的に知られるようになる。それまで御幣餅は奥三河の郷土料理と考えていたが、ドラマで登場したのは、奥三河と同じ小判型だが、岐阜県恵那市の御幣餅である。本書の執筆が始まり、その地域では、団子型の御幣餅が多いと知る。
更に、フォッサマグナの西の境にあたる糸魚川静岡構造線の西側で、塩尻以南を中心に御幣餅が食べられてきたことも知る。同時に、それ以東に御幣餅とルーツを同じくする食文化が、東北まで広がりを持ち、東西の食文化の指標となる伝統食であることも知った。
本書は、発祥からの歩みと、各地で親しまれている御幣餅の多様な姿、その諸相を記したものである。
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